過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
1- 20
515: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/02/23(水) 13:31:04.24 ID:SFobUqfxo

御坂妹の追放期間、最終日。
明日、漸く御坂妹は研究所に戻ることを許されるらしい。そして、それは同時に一方通行が仕事に就く日でもある。
言わば最後の休日なのだが、御坂妹は用事があると言ってさっさと何処かへ行ってしまった。
よって、一方通行は暇を持て余しているのだ。

(……、外、出ねェ方が良いよな……)

ビルの隙間から見える喧騒を眺めながら、一方通行はひたすらぼうっとしていた。
それまでかなりの頻度で襲い掛かってきていた追手も、あの垣根帝督を撃破してからというもののまったく音沙汰がない。
いや、それは恐らく幸いなことなのだが、どうも油断を誘っているような気がして気味が悪かった。

(しかし、暇だ……)

……なんだかんだ言って、御坂妹は話し相手としてはかなり優秀だったと思う。
何処から得た知識なのかは知らないが、彼女は意外と色々なことを知っていたので何もない時は様々な話をしてくれた。
その知識には異様に偏りがあったが、それでもただ聞いている分には面白かった、と思う。

しかし彼女に比べて一方通行は余りにも何も知らないので、彼から彼女に話し掛けるということは殆ど無かった。
ただ、尋ねられれば答えたし、知っていることは話してやったが、せいぜいそれくらい。彼女には到底及ばなかった、と思う。
彼が知っていることと言えば、冥土帰しの仕事を横から見ていて得た医療の知識と本で得た学問的な知識のみ。
そんな小難しい話をしたってきっと面白くないだろうし、御坂妹だって疲れるだけだろう。

(……やべェ、平和ボケし始めてる)

暇過ぎて、一瞬ちょっとくらいなら外を出歩いても良いかな、と思ってしまった。
しかし彼はそんな腑抜けた考えを一蹴する。
そういう風に楽観的に考えてしまったからこそ起こしてしまった悲劇を、彼はまだ忘れていなかった。

本当なら、いつも病院でそうしていたように眠っていれば良いのだろう。
しかし生憎彼は先程目覚めたばかりで、その上珍しくあまりにもさっぱりと目が覚めてしまったので二度寝する気になれなかったのだ。
だから、今も彼はこうして暇を持て余している。
眠気は全くないのに、暇な所為であくびまで出てきてしまっ……、駄目だこれマジで平和ボケしてる。

(人通りの少ないところなら大丈夫か? 俺一人が襲われるくらいなら平気だろォしな)

いっそのこと襲い掛かってきてくれた方がこの平和ボケも少しは改善されそうだ。
ちなみに追手でなくても良い。スキルアウトでも可。
とにかく今は、ほんの少しでもいいから緊張感を取り戻したかった。

いつまでもこんな調子では、いざ本当に強敵が襲ってきた時に手も足も出ない、なんて事態になりかねない。
身体を鈍らせない為にも、適度な運動が必要だった。



―――――


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1072.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice