過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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530: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/02/26(土) 00:42:45.00 ID:NyUj8khEo

「あら、同じ研究所内なんだから似たようなものよ? それじゃ一方通行、今日からよろしくね」

「……よろしく」

にこにこと笑顔を浮かべながら差し伸べられた芳川の手を、一方通行が恐る恐るといった様子で取る。
芳川は取られた手を軽く握って更に笑みを深くすると、そっと彼の手を解放した。

「それじゃ、早速これからキミにやってもらう業務について説明するわね。少し専門知識が必要だけど、まあキミなら大丈夫でしょう」

「一方通行。ミサカは少々席を外しますので、彼女の言うことをきちんと聞いて行動してくださいね、とミサカは言い聞かせます」

「あ、あァ」

「それでは頑張ってください、とミサカは応援の言葉を口にします」

それだけ言うと、御坂妹は来た道を戻るようにして何処かへと去って行ってしまった。
一方通行はそんな彼女を見送ると、すぐに芳川に向き直る。

「そんなに緊張しなくても大丈夫よ、難しいことじゃないし。取りあえずわたしたちも移動しましょうか。資料もここにはないしね」

一方通行が黙って頷くのと見ると、芳川は調整室を出て御坂妹の去って行った方向とは反対側の廊下へと向かって行った。
当然、一方通行はそれを追い掛ける。
気味が悪いくらい綺麗に清掃された白く明るい廊下を暫らく歩いていると、やがて芳川がある一室の前で立ち止まる。

表札に書かれている名前は、『資料室』。
調整室と違って扉の大きさは他の部屋と変わらないので、慣れない内は見つけるのに手間取ってしまいそうだ。

「ここよ。入って」

芳川に促されて入った室内には、その名の通り膨大な資料が詰め込まれていた。
壁一面に本棚が並べられているにも関わらず、そこに収まらなかった本や書類が床に直接積み上げられている。
これでは目的の資料を見つけるのにも時間が掛かってしまうのではないかと思ったが、意外にも芳川はすぐに必要な資料を見つけ出した。

「これね。ちょっと多いけど、ちゃんと目を通しておいて」

「分かった」

「それから……、と」

一方通行に渡された資料の表紙には、『妹達検体調整用マニュアル』と書かれていた。
しかし芳川に言われた通りに目を通したところ、マニュアルには先程の部屋にあった培養器の使用方法などは記していなかった。
彼の仕事には培養器は使用しない、ということなのだろうか。

「妹達の検診と調整用薬剤の扱い方、経過の観察に体調不良時の対処、ね。こンなン素人に任せても大丈夫なのか?」

「大丈夫よ。あの子たちだって、ちょっと失敗したくらいで死ぬようなヤワな体してないし」

「……それは本当に大丈夫なのか?」



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