過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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555: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/02/28(月) 18:25:08.84 ID:eUvk8S8ro

突然咳き込み始めたミサカ10039号の背中を、一方通行は慌てて擦ってやった。
風邪を引いているくせにこんなに喋れば、こうなるのは当たり前だ。
やがて彼女の咳が収まると、一方通行は背中を擦っていた手を離して彼女に毛布を掛け直してやる。

「ったく、風邪っぴきの癖にそンなに喋るンじゃねェっての。話してやるから、オマエは黙って聞いてろ」

「……はい、とミサカは大人しく返事をします」

「その口癖も難儀なモンだな。……そォだな、何から話すか」

一方通行は少し考えてから、ゆっくりと美琴と上条と御坂妹のことについて話し始める。
彼はあまり話すのが得意ではないからぎこちない語りだったが、ミサカ10039号はそんな彼の話をじっと聞いていてくれた。
……給湯室でお湯が沸くのを待っていた芳川は、微笑ながら二人の語らいに聞き耳を立てていた。



―――――



「……随分遅かったじゃねェか」

「あら、空気を読んだつもりだったのだけれど。余計なお世話だったかしら」

「そォかよ」

先程までずっと一方通行の話を聞いていたミサカ10039号は、流石に疲れてしまったのか、眠ってしまっていた。
しかし、その手は未だに彼の白衣の裾を握ったままだ。
どうやら一方通行は、相当彼女たちに懐かれてしまったらしい。……理由は、何となく想像がつくが。

「はい、コーヒー。暖かいから安心して」

「……まるでコイツが寝るタイミングが分かってたみてェだな」

「分かるに決まってるじゃない。研究者をなめない方が良いわよ?」

自信に溢れた笑顔を浮かべる芳川をじとっとした目で眺めながらも、一方通行はコーヒーを受け取って一口飲んだ。
……存外に旨いのが癪に障る。
もし不味かったら文句の一つでも付けてやろうと思っていたのだが、当てが外れてしまった。

「さて、それを飲んだら次は検査結果の見方とそれに対する対処方を教えるわよ」

「ああ、分かってる」

返事をしつつ、一方通行は再びコーヒーを口に含んだ。
気に入らないが旨いのは事実なので、文句は言えないが褒める気もない彼は黙ってコーヒーを啜る。
すると、不意に芳川が沈黙を破った。



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