過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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563: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/04(金) 23:21:28.70 ID:TtRh/bLGo

「どォした?」

「……い、いえ、何でもありません。忘れてください、とミサカは慌てて取り繕います」

そうは言うものの、御坂妹の様子は明らかにおかしかった。
しかし、その原因を探ろうと周囲を見回してみても何もない。そもそも、ここはただの食堂なので何か特別なものがある筈がないのだが。
しかも既に昼食時を大分過ぎてしまっているので、客も彼らくらいしかいなかった。

「そ、そんなことよりあなたはこれからどうするつもりですか、とミサカは質問します」

「俺ェ? 取りあえず部屋を見に行くかな」

「その後は? とミサカは更に質問をします」

「寝る」

「あなたはそればかりですね、とミサカは呆れます。
 そんなに寝てばかりいると太りますよ……、いややっぱり腹が立つのでもう少しくらい太って下さい」

「言われなくてもそォするつもりだ」

一方通行は特に何もしていないどころか非常に不健康な食生活と生活習慣を送っているにも関わらず、なんと御坂妹と同じくらいの細さなのだ。
……もしかしたら記憶喪失前の彼はそういう努力をしながら生活をしていたのかもしれないが、
意味が分からないし気持ち悪いのですぐにそんな想像は頭の中から削除した。たぶん能力の弊害か何かだろうと勝手に結論付ける。

「ところで、それはもう食べないのですか? とミサカは恐らくかつて牛丼だったであろうどんぶりを指差します」

「あァ、もォいい。腹一杯になった」

「畜生何なんですかその満腹中枢は。そんなんだから太らないんですよ、とミサカは八つ当たりします」

「仕方ねェだろ、無理に食って腹壊したら最悪だし」

「本当にその食の細さを分けてほしいのですが、あなたの能力で何とかなりませんか? とミサカは提案します」

「オマエは俺の能力を何だと思ってやがる。ベクトルを操作するだけの能力だって言ってンだろ」

「ほら、そこはこう、生体電気やら何やを操って脳に色々誤認させたりできるんじゃないですか? とミサカは思いつきます」

「俺がお前に触れてる間はできるだろォけどな。手ェ放した瞬間元に戻ると思うぞ」

「じゃあずっと触っていて下さいよ、とミサカは食い下がります」

「アホか。頭痛で死ぬわ」

「死んでも良いのでミサカのダイエットに協力してください、とミサカは要請します」

「理不尽にも程があるだろ」

むしろ太りたいと思っている一方通行には彼女の悩みなど本当に馬鹿馬鹿しいものでしかないのだが、本人の瞳は真剣そのものだ。
彼の眼には彼女は十分痩せているように見えるのだが、一体何がそんなに不満なのか。



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