過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/03/06(日) 23:37:45.87 ID:Vxi+OU+jo
「良いから、黙って受け取っておけって。うちに置いといても嵩張るだけだし」
「ッたく……」
ぶつぶつと文句を言いながら、一方通行はまたたこ焼きを口に放り込む。
素直じゃないなと呆れて苦笑いしながらも、上条は遠くの方に行ってしまった御坂姉妹に目をやった。
……そして、二人から離れた場所まで行ってしまった美琴と御坂妹に場面は移る。
美琴は盗み聞きをしているような人間が誰もいないことを確認すると、がしっと御坂妹の肩を掴んで真剣な顔で彼女の瞳を覗き込んだ。
「アンタ、まさかアイツらに自分のことをべらべらと喋ってないでしょうね?」
「自分のこと、とは? とミサカは曖昧な質問に対する確認作業を行います」
「アンタが私のクローンってことよ! アンタ、自分が『御坂美琴の妹』で通ってることを忘れてるんじゃないでしょうね?」
「何だそんなことですか、とミサカは拍子抜けします」
「そ、そうよね! いくらアンタでもそこまで口が軽くは……」
「未だに隠し通せていると思っていたんですか? とミサカはお姉様のお気楽さに呆れます」
「いっ、妹おおおお!!」
叫びながら、美琴は掴みっぱなしだった御坂妹の肩をがっくんがっくんと揺さぶった。
御坂妹は首が折れかねないぐらいの勢いで前後に振り回されているが、無表情でされるがままになっている。
「落ち着いてくださいお姉様。
けっこう早期にばれましたので、ミサカたちにしてみれば何を今更という感じですよ? とミサカは告白します」
「あ、アンタねえ……。何処まで話したのよ?」
「全部です」
「……全部って、どれくらいよ」
「ほぼお姉様と同じかと。
ミサカがクローンであることや調整のこと、製造責任者のことやその他諸々…… といったところでしょうか、とミサカは他人事のように報告します」
もちろん嘘だ。一方通行はもっとたくさんのことを知っている。
しかし常識的に考えて「あなたのクローンは実は二万人居るんですよ」なんて言ったら美琴が失神することなど分かりきっているので、
口が裂けたってそんな真実は明かさない。それに、その事実がそう簡単に彼女にばれることもないだろう。
「……はあ。アンタね、そういうことはもっと早くに言いなさいよ。私に訊かれなくてもさ」
「知ればお姉様は混乱なされると思いましたのでできれば隠しておこうと思っていたのですが、とミサカは自らの真意を明かします」
「こういう風に突然暴露された方が、よっぽどびっくりするわよ」
「そうでしたか。それは申し訳ありませんでした、とミサカは謝罪します」
「良いわよ。でも今度からは気を付けてよね」
美琴は御坂妹の肩から手を放すと、その頭をぽんぽんと撫でてやる。
御坂妹はそうされるのが好きなのか、にへらと笑って美琴を見上げた。
「お姉様、ミサカはお腹が空きました。もう戻っても良いでしょうか? とミサカはお伺いを立てます」
「あ、ああ、そうね。付き合わせて悪かったわ」
美琴がぱっと手を放して御坂妹を解放してやると、彼女は少しだけ嬉しそうな顔をしてぱたぱたと二人の所へと戻って行く。
その後ろ姿を見ていた美琴は一つ小さな溜め息をつくと、少し遅れてその後を追っていった。
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