過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/03/13(日) 00:00:27.37 ID:TFC+/ROzo
「……なるほど、なかなかの高位能力者のようだな」
「なるほど、じゃねェよ! 殺す気か!」
正確には「自殺する気か」の方が正しいのだが、相手は何の事情も知らないのでこう言った方が分かり易いだろう。
しかし男は、表情を変えもせずにこう続けた。
「近頃、能力者が無能力者を悪戯に襲撃する事件があることは知っているか?」
(あ、コイツ話聞く気ねェわ)
持ち前の頭の回転の速さで、一方通行は素早くそう判断した。
要するに、この男は彼のことをその事件の犯人だと思い込んでしまっているらしい。正義感に溢れていて立派なことだ。
しかし、もちろん一方通行はそんな事件の犯人ではない。
だがその一方で彼がスキルアウト即ち無能力者を虐めていたのは事実なので、言い逃れすることはできない。現行犯逮捕だ。
しかも彼が相手をしたのはあっちから絡んできたスキルアウトだけなのでぶっちゃけ正当防衛なのだが、
そんな話にこの男が耳を傾けてくれる筈もない。
と言うか、この状況を見てそんな話を信じてくれる人間が一体どれだけ居るか。それだけ、彼の置かれた状況は悪かった。
(強そォだから練習台には持って来いなンだが……、流石にこの状況でそンな暢気なことは言ってらンねェな)
一瞬外道な考えに至りそうにもなったが、そんなことをしている場合ではない。
このままでは本当にこの男を死なせてしまいかねないのだ。
そう判断した一方通行は、即座に方向転換を行って逃走を開始する。
しかし。
「逃がすと思うか?」
(なンだコイツ、図体でけェ癖に滅茶苦茶速ェ!)
一方通行は能力をフル活用して走っているというのに、大男はそんな彼に追い付きかねないほどの勢いで追い掛けてきている。
正直、すぐに撒けるだろうと楽観していた一方通行は焦った。
このままでは本当に追い付かれてしまいかねない。
どうするべきか、と一方通行が考えを巡らせようとした、その時。
「こっちだ!」
突然横道から手が伸びてきて、一方通行の手首を掴む。
あまりにも突然の出来事だったので一方通行はそれに対応することができずに、その手に引かれるまま横道に引きずり込まれてしまった。
混乱していた所為でそのまま連れて行かれてしまいそうになった一方通行は、すぐに我に返ってその手を振り払おうとする、が。
もはや見慣れた後ろ姿に、一方通行は振り払おうとした手を止めた。
彼の手を引いているのは、上条当麻だった。
裏路地の構造を知り尽くしているらしい上条は、男を撒く為にかわざわざ複雑で曲がりくねり、身を隠しやすい道を選んで走ってくれた。
しかし彼はきちんと道のりを把握しているらしく、迷うことなくずんずん先へ先へと進んで行く。
上条に誘導されるまま、走って、走って、走って、走って。
やがて二人は表通りに出た。
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