過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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63: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/11/03(水) 00:05:23.34 ID:b7Et/bco
「そういうことになりますね、とミサカは首肯します。
 とは言っても、ミサカたちはそのお陰で生まれることができたので一概に彼らを非難したくありません、とミサカはミサカの考えを主張します」

確かに御坂妹には何の罪もないし、誕生の経緯がどうであれ彼女達が生まれたことを非難するつもりも毛頭ない。
……しかし、当事者である美琴は一体どう思うだろうか? 彼女たちの存在を、果たして許すことができるのだろうか?

「……つまりオマエは、御坂が自分たちを受け入れてくれるかどォか知りたいっつゥことだな?」

「そういうことです、とミサカは一方通行の話の呑み込みの早さにほっとします」

「しっかしクローンとはまた、難しい質問だなァ……。御坂とはそンなに付き合いが長ェわけでもねェし。
 やっぱ上条辺りに相談した方が良かったンじゃねェか?」

「いえ。記憶喪失で何の先入観も持っていないあなたの意見を聞きたかったのです、とミサカはミサカの真意を告げます」

そこで一方通行はおや、と思った。
自分はまだ、御坂妹に自分が記憶喪失であることを話していないはずだ。隠しているわけではないが、そんな簡単に知れることでもない。

「俺が記憶喪失だってことも知ってンのか、やけに俺に詳しいな。どうしてそこまで知ってンだ?」

「……そ、その、ミサカたちはお姉様に近付く為にお姉様の身辺を調査したのです。
 その過程であなたのことも少々調べさせていただきました、とミサカは苦しい言い訳を……いえなんでもありません」

最後の方は蚊の鳴くような小さな声だったので聞き取れなかったが、そこまで神経質にならなくても大丈夫だろうと一方通行は判断した。
なので一方通行は興味なさげに「そォかい」とだけ言うと、静かにコーヒーを啜る。
それに、記憶喪失になったこと自体に関しては特に口止めをしているわけでもあるまいし、確かにちょっと調べれば分かることだ。

「それにしても、クローンなァ。どうしたモンかねェ」

「今すぐにお返事を頂けなくても構いません。それとなくお姉様にクローンの話をしてみてはどうでしょう、とミサカは提案します」

「つっても、日常会話の中でクローンの話が出てくることなンかまずねェぞ」

「でしたら、お誂え向きの話題があります。
 記憶喪失のあなたは知らないでしょうが、常盤台中学では『超電磁砲のクローンが存在するのではないか』という噂が実しやかに囁かれているのです。
 もちろんお姉様もその噂をご存知ですから、その噂を聞いたことにして話題にしてみたらどうでしょうか、とミサカは実は綿密な計画を立てていたことを明かします」

「あァ、なるほど。それならなンとかなるか……」

どうやら御坂妹は、本気で美琴に会いに行きたいと思っているようだ。
上条たちから借りた漫画などによる偏った知識から想像するに、クローンといえばオリジナルを亡き者にして入れ替わりを画策するとか、
そういうブラックなものを想像していたので、一方通行としては御坂妹の行動は少し意外だった。
ただし、そこまで計画を立てたところまでは良い。問題はその先だ。


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