過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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630: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/13(日) 00:16:44.84 ID:TFC+/ROzo

学園都市の技術をふんだんに使った水族館、と言われてもいまいちどう凄いのか想像がつかないが、
美琴がこれだけ楽しみにしているのだからきっと相当すごいのだろう、と一方通行は勝手に結論付けた。
それに、御坂妹は普通の人なら何でもないようなことにいちいち興味を示したり感動したりするので、それほどのものなら申し分ない筈だ。
一応名目上は御坂妹の為になっているのだが、美琴もかなり期待しているらしく瞳をキラキラさせている。

「そうそう、それから日時はいつが良いかしら? テストがあるからすぐには無理なんだけど……」

「夏休み中、もしくはテスト明けだろォな。まァ俺はいつでもイイが」

「あ、そうだ。この間アイツにも直接テストのことについて突っ込んだんだけど、アイツはあんなことしてて大丈夫なの?」

「駄目っぽいな。見ての通り、現実逃避してる」

「駄目じゃない」

「あァ、駄目だ」

二人の視線が遠くの上条に向く。
彼は、まるでテストのことなど忘却の彼方に捨て去ってしまったかのように無邪気にゲームを楽しんでいた。
それを見て何となく微妙な雰囲気になってしまったことに気付いた美琴は、慌てて話題の転換を図る。

「で、でももしアンタが学校に通ってたりしたらきっとテストなんか楽勝なんでしょうね! 羨ましいわ」

「オマエだって超能力者の第三位なンだから、成績は良いンじゃねェのか?」

「普通の学校だったらそうなんだろうけどね……。
 でも常盤台は大学レベルの授業をやるから、テストの内容はそこそこ難しいのよ。私もちょっとは勉強しないと流石に危ないかなー」

「とンでもねェ中学もあったモンだ」

「まったくね」

購入したヤシの実サイダーのプルタブを開けながら、美琴がはあっと溜め息をついた。
学校に通ったことなどない一方通行にはよく分からない感情だが、とにかくテストと言うものは相当に精神的に重いもののようだった。
美琴の学校と上条の学校では圧倒的な差があるとは言え、果たして上条はアレで本当に大丈夫なのか。

「あら、もうこんな時間? そろそろ帰らないとまた黒子にぶつぶつ言われちゃうわ」

「ン? あァ、もォこンな時間なのか。どォりで腹減ったと思った」

「寮の門限まではもうちょっとあるけど、ちょっと距離あるから早めに出ないといけないのよね。寮監もすごい厳しいし……」

「そォか。気ィ付けて帰れよ」

「誰に向かって言ってるのよ、私は超能力者の第三位よ? ちょっとやそっとじゃどうこうされないわよ」

「ハイハイ、それは失礼しましたねェ」

「そうよ、平気平気。それじゃ、また今度ねー」

「おォ、またな」

そして席を立った美琴は上条の方へと歩いて行って軽く挨拶すると、彼らに軽く手を振りながら駆け去った。
一方通行はそんな彼女を見送ると、飲み干して空になってしまったコーヒーの缶をベンチの隣に置かれてあったくずかごへと投げ入れる。
からんと小気味の良い音がして、缶はくずかごの底に落ちて行った。





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