過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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65: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/11/03(水) 00:12:13.81 ID:b7Et/bco
「ええ。本当に大変なんですよ、とミサカは苦労話を展開しようと思いましたが、もう時間もないので控えました」

「そォかい。それじゃ、その苦労話はまた会ったときに聞かせてくれ。じゃあな」

一方通行がひらひらと手を振ると、御坂妹は再び深々とお辞儀をしてから彼に背を向ける。
……ふと、その光景に鮮烈な既視感を感じた一方通行は、思わず彼女を呼び止めた。

「……、なァ」

「今度は何ですか、とミサカは少々焦りながら返事をします」

「オマエ、前に俺と会ったことねェか?」

その言葉に、しかし御坂妹は何の反応も示さなかった。彼女はまるで作り物のような無表情を、保っていた。
御坂妹はゆっくりと目を閉じ、そして開く。そして彼女は先程までと同じ平坦な声で返事をした。

「いえ、ミサカがあなたと会うのはこれが初めてです、とミサカははっきり答えます」

「……そォか。引き止めて悪かったな、もォ行って良いぞ」

「はい、そうさせてもらいます。それでは失礼します、とミサカは一方通行に別れの挨拶を告げます」

それだけ言うと、御坂妹は今度こそ一方通行に背を向けて喫茶店を出て行った。
カランカランという扉の閉まる音が、静かな喫茶店の中に響き渡る。
一方通行は窓の向こうに見える御坂妹の後姿を眺めながら深い深い溜め息をつくと、顔を顰めて手のひらで目を覆う。
ひどい頭痛がした。



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