過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2010/11/03(水) 00:15:02.02 ID:b7Et/bco
―――――
『やっほー、どうだった? ってミサカはミサカは一仕事終えた下位固体を労わりながら挨拶してみる!』
『……またあなたですか、とミサカはいい加減げんなりします』
大通りを歩いている御坂妹の頭の中に、妹達の形成する脳波ネットワーク『ミサカネットワーク』を通して幼い少女の声が響いてきた。
少女の名称は『打ち止め(ラストオーダー)』。
全ての妹達を統括し、上位命令文を発動させることによって妹達に対して絶対反抗不可能な命令を下すことのできる、妹達の上位固体。
『つれないなあ、ってミサカはミサカはむくれてみたり。
ミサカだって本当はあの人に会いに行きたいのに我慢してるんだから、ご褒美だと思って早く早く! ってミサカはミサカは急かしてみる!』
『そんなに特筆すべきようなことは何もありませんでしたよ。彼は何も変わっていませんでしたし、とミサカは面白味の無い報告をします』
『他には他には? ってミサカはミサカは更に詳細な報告を求めてみる』
『ああ、そう言えばあなたのいい加減な計画の所為で色々感付かれそうになりました、とミサカは上位固体の思慮の浅さを嘲笑います』
『ええー、あれで駄目だったの? ってミサカはミサカは驚いてみる。
あの人はやたら勘が鋭いから計画を考えるのも一苦労だよ、ってミサカはミサカは頭を悩ませてみる。次はどうしよっかなー』
『……ときに上位固体。計画を考える程度なら一向に構いませんが、くれぐれも余計な行動は取らないように、とミサカは念を押します』
それまではまるで妹をいじる姉のようだった御坂妹が、急に真面目な口調になった。
ミサカネットワーク越しに、打ち止めがぎくりとしたのが分かる。
それを感じ取った御坂妹は呆れたように溜息をつくと、更に言葉を繰り返した。
『良いですか上位個体。決して無闇に外を出歩かないように。彼らに見つかってしまえば一巻の終わりですよ、とミサカは警告します』
『わ、分かってるってば、ってミサカはミサカは口籠もってみる……』
『彼らに捕まって痛い目に遭うのがあなただけならまだマシです。
ですがあなたが捕まって最も被害を被るのは彼ですし、他にもミサカたちに協力してくれた人々の努力が全て無に還ることになるのです。
あなただって呼吸するだけのキーボードに逆戻りしたくはないでしょう、とミサカは……』
『分かったってば! 絶対に外には出ないから! ってミサカはミサカは口うるさい下位固体にぐったりしてみる』
御坂妹は本当に分かってるのかこの上司は、という顔をしたが、どうせネットワーク越しなのでその表情が打ち止めに見えることはない。
と、大通りを歩いていた彼女は辺りを軽く見回してから裏路地に入った。
裏路地には危険なスキルアウトが屯しているはずだが、その程度戦闘用に調整された軍用クローンである御坂妹の敵ではない。
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