過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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678: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/21(月) 21:53:11.92 ID:phNmQ4HQo

「お嬢ちゃんたち、カップルかい? お熱いねー」

「いえ、彼とミサカはそのような関係ではありません。認識の修正をお願いします、とミサカはあくまで冷静に訂正します」

「え、そ、そうかい? それは悪かったね……」

驚くべき冷静さでアイスクリーム屋の店主をたじろがせながらも、ミサカ10039号は生まれて初めて購入したアイスクリームを受け取った。
これが御坂妹だったらもうちょっとくらい狼狽えそうなものなのだが、彼女は決してそのようなことはしない。

それが、彼女の特徴だった。
彼女は非常に冷静で、滅多に驚いたり狼狽えたり戸惑ったり恥ずかしがったり、というような感情表現をしない。
いや、妹達はもともと感情表現に乏しいのだが、彼女の場合は特にその傾向が顕著なのだ。

これが上条なら「せっかく可愛いのに勿体ない」などと歯の浮くようなセリフを言うのかもしれないが、
一方通行はこれが個性が希薄になりやすい妹達の中での彼女の個性だと思っているので、これはこれで良いのではないかと考えている。
それに、感情表現なんて周囲に強制されて行うようなものでもないのだから。

「一方通行。アイスクリームの購入に成功しました、とミサカは任務の達成を報告します」

「任務って……。まァ良いか。つゥか、本当に金は良いのか? 奢るぞ」

「いえ、自分の持っている金銭を使用してこその買い物です、とミサカは主張します。
 それに、こうした買い物はミサカにとって重要な経験になると共に立派な研修として成り立つのでこれで良いのです、とミサカは主張します」

「ふゥン……」

彼はミサカ10039号が買ってきたアイスクリームを受け取ると(こちらはきちんと一方通行がお金を出している)、彼女と一緒にベンチに座った。
アイスクリームの種類はミサカ10039号に任せてしまったので少し不安だったが、彼の好みに合わせてくれたのか彼女の選んだもののように異常に甘ったるくは無かった。
彼女に自分の好みを教えた覚えはないのだが、恐らくミサカネットワークとやらを通じて知ったのだろう、と一方通行は勝手に結論付ける。

「ふむ、これはなかなかに美味です。他の妹達にも教えなくてはなりませんね、とミサカは早速ネットワークに接続します」

「あー……。その前に、ちょっと良いか?」

「? 何でしょうか、とミサカは静かに問い返します」

「……さっきの。上位個体とやらについて説明してもらえるか?」

「ああ、そのことですか。先程は説明を省いてしまいましたからね、とミサカは先程の出来事を回想します。
 そうですね、何から話すべきでしょうか……」

呟きながら、ミサカ10039号はミサカネットワークで情報を整理しているのか遠い目をして思考に耽る。
一方通行は彼女の思考を遮らないように、黙ってミサカ10039号の言葉を待っていた。



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