過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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681: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/21(月) 21:55:33.29 ID:phNmQ4HQo

「自信がねェのか?」

「まあ、演技などしたことがありませんから、とミサカは遠回しに肯定します」

「……出来るだけフォローはしてやるから、まァやるだけやってみろ」

「ありがとうございます、一方通行。……おや、さっそく帰って来たようです、とミサカは報告します」

言いながら、ミサカ10039号は装着していた電子ゴーグルを外して一方通行に押し付けた。
どうやら完璧に美琴を演じるつもりのようだ。
実際、電子ゴーグルを外されてしまうと見た目だけでは美琴とまったく変わらない。クローンなのだから当然だが。

「お姉様! 同じものを買って参りました!」

「うん、ありがと。ごめんねー、私もちょっとぼーっとしててさ」

「いえいえ、お姉様が謝る必要など何処にもありませんわ!」

……意外と上手い。一方通行は素直に感心した。
もしかしたら洗脳装置で演技の仕方も強制入力されているのかもしれない、と思ってしまうくらいだった。
そんなミサカ10039号の意外な特技に一方通行が呆然としていると、彼女にアイスクリームを手渡した少女がぐりんとこちらに向き直る。
どう贔屓目に見ても、好意的とは思い難い目つきだった。

「ところでお姉様。こちらの方はどなたですの?」

「ん? ああ、友達よ友達。それがどうかしたの?」

「……どォも」

こういう場面で露骨な悪意を向けられたことのない一方通行は一瞬驚いたが、すぐにいつもの調子を取り戻して返事をする。
しかし、それでも少女の目つきは変わらない。じとっとした目で一方通行を睨み続けている。

「な、何? どうかしたの?」

「……いえ。先日の類人え……、上条さんと言い、お姉様には『学舎の園』の外にご友人が多いのですわね」

「そ、そうかなあ? そんなことないと思うけど……」

慌てて取り繕いながら、ミサカ10039号はちらりと一方通行に目配せする。
それに気付いた一方通行は、少女に気付かれないようにそっとミサカ10039号に触れて能力を発動させる。
生体電気と脳波を操作することによって、彼女と自分の間に回線を作り出すのだ。

(どうやら彼女は特にお姉様と親しい間柄の人間なようです、とミサカは苦い顔をします)

(みてェだな。つゥか思い出した。コイツは多分白井黒子っつゥ御坂のルームメイトだ。特徴と言動が一致してる)

(ルームメイト……、ですか。これはなかなか厄介ですね、とミサカは苦言を呈します。他に何か彼女についての情報はありますか?)

(御坂にベタ惚れ……、いや、これはもはや崇拝の域だな。とにかく御坂に執着してて、露払いを自称してる空間移動能力者だ。
 それから御坂に学舎の園の外の人間が近づくのを嫌ってる節があンな。ゲーセンに行くのも嫌がられるっつってたか……?)



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