過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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710: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/27(日) 22:27:58.16 ID:5PE7BpyZo

夕暮れの細道を、一人寂しく歩く。
与えられた休暇を消費する為に第七学区を歩き回っていた御坂妹は、結局この時間まで一方通行たちに会うことはなかった。
とは言え、別に捜し歩いていた訳ではないので見つからなかったからどうということでもないのだが。

(と言うか他のミサカたちの要求が思いのほかハードでした、とミサカは今日一日の出来事を振り返ります)

本日の御坂妹は、休暇を使って自分の欲求を満たすのではなく、他の妹達がやりたいと言ったことをやってやる、ということを繰り返していたのだ。
妹達はミサカネットワークを通じて記憶や感覚を共有することができるので、
そうして御坂妹が体験したことはそのまま他の妹達も追体験できるようになっている。
よって、彼女は外に出て遊ぶことの出来ない他の妹達の為にミサカネットワークを介して彼女たちのやりたいことを疑似体験させてやっていたのだ。

しかしその妹達の要望がとても大変なことばかりで、御坂妹はすっかり疲れ果ててしまっていた。
特にあれを食べたいこれを食べたいという希望が非常に多かったので、お腹がいっぱい過ぎて苦しい。後で体重計に乗るのが怖い。
ただその一方で彼女もいつもは食べられないようなものも食べられたりしたので、デメリットばかりではなかったが。

(うう、横っ腹が痛いです。早急に研究所に帰るべきですね……、とミサカは自らの目的を決定します)

研究所まではまだまだ距離がある。甘いものを食べまくったので喉も乾いた。
これは何処かでジュースでも飲みつつ休んだ方が良いかもしれない、と思い立った御坂妹は、ネットワークを使って周辺地図を検索した。
そしてやがてすぐ近くに公園があることを知った彼女は、俯いていた顔を上げて再び歩き出そうとした、が。

彼女は進行ルートのど真ん中に、見覚えのある少年が立っていることに気が付いた。
ここ最近目にすることが無かった姿に御坂妹は少しだけ驚いた顔をしたが、すぐに我に返って彼に向かって軽く手を振る。
すると、そこで漸く彼女に気が付いたらしい一方通行がこちらに向かって歩いてきた。

「お久しぶりですね一方通行、とミサカはありきたりな挨拶をします」

「ああ、本当に久しぶりだな。任務ってのはもォイイのか?」

「それは何処で聞いたのですか? とミサカは疑問を呈します」

「ミサカ19090号が言ってたぞ。それより、オマエは大丈夫なのか?」

「は、はい。特にこれと言って特筆すべきことはありませんでした。あなたこそ、何か心配事でもあるのですか? とミサカは首を傾げます」

「……いや、何でもねェ。何も無かったなら良い」

「そうですか、とミサカは胸を撫で下ろします」

「………………」

「………………」

会話が続かない。
御坂妹は何故か遠慮がちになっているし、一方通行はもともと自分から喋るようなタイプではないので、つい言葉に詰まってしまった。
数秒、気まずい沈黙が続く。



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