過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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728: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/30(水) 13:42:11.02 ID:hdQff3Jko

晴れた砂煙の向こうに無傷の上条を見とめた美琴は、今度は右手に電撃を纏う。
そして彼女がバチバチと音を立てながら発光している右手を地面に向かって差し出すと、黒い粉のようなものが彼女の右手に集まってきた。

「……は? いやオイ……」

上条が狼狽える。
それもその筈、美琴は右手に集めた粉で剣の形を象って、それを上条に向かって突き付けたのだから。
けれど上条には、その剣の正体は分からなかっただろう。
彼に分かることと言えば、ただ何か恐ろしい武器を持った美琴が本気で自分を睨んでいるということくらいだ。
しかし離れた位置から二人の戦いを観戦していた一方通行たちは、その正体を一瞬で看破した。

「砂鉄か」

「そうでしょうね、とミサカは分析します。あれは流石に危ないんじゃないでしょうか?」

「さァな。上条の右手が打ち消せる『異能』の幅はイマイチよく分かンねェからなァ」

「ですね。さて、お姉様の砂鉄の剣が上条当麻に通用するのかどうか……、とミサカは固唾を飲んで見守ります」

「……通用したら血の海だけどな」

「?」

御坂妹がきょとんとした顔をして首を傾げたが、一方通行は何も答えなかった。
それでも念の為なのか、携帯を取り出していつでも救急車が呼べるようにスタンバイしている。
しかし御坂妹には、ただの鉄の剣がそこまで危険なものだとは思えなかった。
砂で出来ているのだから切れ味は微妙だろうし、鈍器のようなものとは違うのだろうか。

「ちょっ、お前! 得物使うのはズルいんじゃ!?」

「能力で造ったものだもん。問題無し」

上条の抗議をさらりと流した美琴は、手にした砂鉄の剣を一振りして見せた。
するとそこにちょうど落ちてきた一枚の葉っぱが、見事な切れ味でもって真っ二つに切り裂かれる。
それを見た上条はもちろん、御坂妹もぎょっとした。

「砂鉄が振動してチェーンソーみたいになってるから、触れるとちょーっと血が出たりするかもねっ!」

「どう考えてもそれじゃ済まないと思うんですけど!?」

しかし上条の悲鳴を無視して、美琴は思いっ切り彼に斬りかかった。
それをギリギリのところで避けた上条は、更に連続で振るわれる砂鉄の剣を次々と回避していく。
だがそれを見て尚、美琴の余裕の笑顔は崩れなかった。

「ちょこまか逃げ回ったってコイツには……」

美琴はバックステップし、一旦上条との距離を取る。
これで少なくとも砂鉄の剣の脅威には晒されなくなったと思った上条は安堵しかけた、が。

「こんな事もできるんだからっ!」



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