過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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730: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/03/30(水) 13:43:23.85 ID:hdQff3Jko

視界を遮っていた大量の砂鉄が、次々と地面に落ちていく。
そして晴れた視界の向こうを見やろうとして、そこで初めて上条は目の前に美琴の姿が無いことに気付いた。

(右手が駄目だってことは重々承知してる! だからこそ、左手から電流を直に流す!
 飛んで来る電撃は右手で打ち消せるかもしれないけど、これならいくらアンタだってひとたまりもない筈!)

(ッ、背後か!)

美琴が上条の左手を取ろうとしたのと、上条が背後の美琴を振り返ろうとしたのは、ほぼ同時だった。
つまり。
上条が振り返ったことによって左手を取ろうとした美琴の手は、うっかり右手を取ってしまったのだ。
……よって。

(ぎゃああああやっちゃった何で!? まずいこれじゃ反撃が……)

「………………、えーと」

美琴の手を握った上条が、困ったような顔をしながら彼女をじっと見つめていた。
二人は互いに見つめ合いながら、暫らく硬直する。

すると上条が、わざと美琴から見える位置で自由な左手の拳を作って見せた。
ぎょっとする美琴を眺めながら、上条は続いて左手を振り上げてみる。
途端に美琴がびくっとして怯えたように頭を庇ったものだから、やっぱり上条はどうすれば良いのか分からなくなって固まってしまう。
と、暫らく考えた後に何かを思いついたのか、上条は突然右手を掴んでいる美琴の手を振り払い、そして。

「ギャ―――ッ!!」

「!?」

上条の奇行に、美琴のみならず一方通行と御坂妹もびくっとした。
そして上条は一頻りもがいた後、ぱたりと地面に倒れてこうほざいた。

「マ……マイリマシター」

……暫らくの、間。
鈴虫の鳴き声だけが虚しく響き渡っていた。

「……ねェよ」

「無いですね、とミサカは判断します」

そして当然の評価。
しかし何を期待しているのか、上条は倒れたまま薄らと目を開けて目の前の美琴の様子を窺った。
まあ、もちろん。

「ふ、ふ」

「?」

美琴は変な声を出しながら、それだけを繰り返していた。
だがそうしながら帯電しているのを見た上条はヤバいということを漸く察したらしく、がばりと起き上がって逃走体勢を取る。



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