過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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765: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/04/08(金) 21:03:30.65 ID:B//6TTyoo

「身体の方には、何の問題も無いね?」

「えっ?」

予想外の言葉に、上条は思わずそんな声を発した。
しかし、冥土帰しはそんな彼に構わずに話を続ける。

「爆音や余波による身体的な影響はない。無傷と言って良いだろう。これは、精神的なもののようだ」

「と、言うと?」

「平たく言うと、トラウマだね? 何か心当たりは?」

言われて、上条は腕を組んで考え込む。
今回の事件によって発症されるトラウマといえば、やはり爆弾関係だろう。
つまりそこに一方通行のトラウマがあるということなのだが。

「……ちょっと心当たりが多すぎますね」

「じゃ、多分その内のどれかだろうね?」

「ううむ……」

取りあえず上条は思い出す努力をしてみたが、やっぱり心当たりが多過ぎてこれと言えるようなものが無い。
それに、彼は一方通行の全てを知っている訳ではない。
一方通行はあんな境遇だから上条の知らないところでも頻繁に事件に巻き込まれているし、そこで何かがあった可能性もあるのだ。
やがて考えたところで埒が明かないと思ったらしい上条は、考えることを諦めて冥土帰しに向き直った。

「まあ、とにかく爆発関係なことは確かだから、これからそっち方面に気を付けてくれれば大丈夫だね?」

「分かりました。ありがとうございます」

「うん、宜しくね? それと、彼の頭痛のことなんだが」

「何か分かったんですか?」

上条が即座に食い付く。
冥土帰しはそんな彼を制しながら、カルテを捲って説明を始めた。

「やはり、彼の頭痛は記憶喪失に起因するもののようだね? 能力を使う度に昔のことを思い出しそうになっているようだ」

「? 記憶は機械的に完全に削除されたって聞きましたけど……」

「ああ、その通り。彼の記憶は完全に削除されている。よって、思い出すことなど絶対にできない。
 しかしその『無い記憶』を無理矢理思い出そうと、あるいは補おうとして脳の活動が空回りし、脳に異常な負担が掛かってしまっているんだ」

「……? 能力を使うとそうなるんですか?」



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