過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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785: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/04/11(月) 21:35:43.16 ID:qiiDIWEBo

『う……』

『?』

……その時、美琴側にも異変が現れ始める。
なんと、あの美琴がくすんくすんと嗚咽を漏らしながら涙を流し始めたのだ。もちろん演技だろうが、その衝撃は計り知れない。
それまで彼女に突っかかっていた不良も、突然の出来事にぎょっとする。

『うおッ!? 何だイキナリ』

『わ、私……、実は無理言って学園都市に来させてもらったの』

『は? 何言って……』

『でもやっぱり私才能なくて、能力も全然伸びなくて……。
 お父さんはさり気なく電話で身体検査(システムスキャン)の結果を訊いてくるし、お母さんはあなたはやればできる子なんだからって』

秘技・泣き落とし。当然ながら目薬を使った嘘泣きだが、不良は面白いくらい狼狽えていた。
それを見た美琴は心中でニヤリと笑うと、ここぞとばかりに畳み掛ける。

『期待に応えなきゃって思うけどどうしようもなくて、思わず嘘ついちゃって。
 そんな時お兄さんたちのこと知って……、もう幻想御手しか頼れるものがなくって……』

『い、いやそんなことを言われても……』

おろおろとしている不良は、しかしそれでもまだ渋っていた。しかし、ここまで来ればきっともう一押しすれば行ける筈。
……そこで、美琴はトドメとばかりに上目遣いに濡れた瞳で不良を見上げる。

『ダメ……、かな』

不良陥落。
しかしその一方で、白井も真っ白に燃え尽きていた。

「す、鈴科……さん」

「! 白井、目が覚めたのか?」

「ひとつ、お願いがありますの……」

「どォした? 言ってみろ」

「もし、もしわたくしが死んだら……、骨は粉末にしてお姉様の食事に混ぜて欲しいんですの……」

「やっぱり変態だったか」

戻って、美琴サイド。
彼女に突っ掛かっていた不良は完全に美琴に口説き落されていたが、それでもまだ躊躇っているのかもだもだしている。
するとその時、それまで美琴たちのことを傍観していた別の不良が何かに気付いて隣の仲間に囁きかけた。
その小さな声さえも、風紀委員支給の高性能マイクは拾ってくれる。



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