過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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8:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:13:15.88 ID:lnwWc/Yo
第七学区、とある病院。
例の少年が入院することとなった病室の外にある椅子に、二人は落ち着かない様子で座っていた。
特に、この状況の原因である美琴の落ち着きのなさは尋常ではない。
大人しく座って俯いているかと思ったら、急に立ち上がって落ち着きなく辺りを歩き回り始める。
上条は暫らくそんな美琴を眺めていたが、いよいよこの沈黙に耐えられなくなったのか、急に美琴が声を掛けてきた。

「……そう言えばアンタ、やけに手馴れてたわね。こういうこと、よくあるの?」

「ん? ああ、俺は近道するためにしょっちゅう路地裏を通るからさ。不良どもに絡まれてる奴をよく助けてやるんだよな。
 そういう時って、絡まれてた奴は大抵既に怪我してるから、そういう奴を病院に連れてってやるんだよ。
 ま、殆どの場合その時に俺もボコボコにされてるから、俺も一緒にこの病院で診てもらうんだけどな。アハハ……」

「ふうん……。ほんと、無能力者の癖によくやるわね」

そう呟く美琴の口調は、どことなく不機嫌そうだ。
一体どこで地雷を踏んでしまったのかさっぱり分からない上条は首を傾げると、不意にガラッと病室の扉が開く音がした。
二人は一斉に音のした方向を振り返ると、そこには少年の病室から出てきたカエル顔の医者の姿があった。

「先生! どうでしたか?」

「外傷の方は、どうってことなかったね? たぶん無意識に加減していたんだろう。それより中身の方が重症みたいだね?」

「そ、それってどういう……」

美琴が再び顔を青くしながら尋ねると、医者は困ったように眉根を寄せる。
どうやら身内でも何でもない上条たちにあの少年の症状について説明してしまうことを躊躇っているようだったが、
医者は少し考えただけですぐに再び口を開いた。

「まあ君達もまったく無関係というわけではないようだし、説明しておこうかな?
 結論から言うと、あの子は記憶喪失だね? エピソード記憶がごっそりと、一部の意味記憶と手続記憶も失っている」

医者の言葉を聞いて、これ以上青くはならないだろうと思われていた美琴の顔がもっと青くなった。
しかしそれを見た医者は、慌てて言葉を続ける。

「心配しなくても良い。あの子に確認してみたら、電撃を浴びる前の記憶ははっきりしていた。恐らく君の電撃の所為ではないだろう」

「そ、そうですか……」

「それより、彼に電撃によるもの以外の外傷があったのが気になる。君達は何か知っているかな?」

「あ。そういえば、路地裏ですれ違ったのでもしかしたらタチの悪い連中に襲われたのかもしれません。
 その時には既に少しふらふらしてた気もします」

「なるほど」


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