34:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga]
2010/12/29(水) 05:12:41.91 ID:zDBDFDco
二人は壁や窓を丹念に掃除した。
獣娘は楽しそうに手を動かしている。
部屋は広く拭き終えるのに時間がかかったが、なんとか終わらせることができた。
女「はぁ〜…ようやく壁際は終了っと」
獣娘「そーじ! そーじ!」
獣娘は目を輝かせながら、すっかり汚れが落ちた部分を指差し女に見せた。
満面の笑みだ。
その可愛らしい笑顔は見ている方まで癒されそうになる。
獣娘「ばっちくない!」
女「キレイになったね。えらいえらい」
女は獣娘の頭を優しくなでた。
頭をなでられ獣娘は一瞬惑ったが、女が微笑んでいるのを見ると自分も嬉しくなった。
獣娘「えへへ…」
ふと、獣娘の脳裏に姉と暮らしていた日々の記憶が浮かぶ。
覚えていることは微かだが、姉にもよく頭をなでられていた。
そしてその今はいない姉の姿と女の姿が、獣娘には重なって見えた。
獣娘「……」
女「どうしたの? 獣娘ちゃん」
ぼけっとしている獣娘に話しかける。
獣娘「…おんなは、ずっとここにいるの?」
女「え? ……うん、一応そのつもり」
辺りを見渡し、言葉を続けた。
女「…もう元の暮らしには戻りたくないの。だから余生はここで過ごそうって思ってる」
一呼吸おいてから、獣娘の方へと顔を戻した。
女の顔はやや苦笑いになっている。
女「――って言っても、まだこれから何十年もあるんだけどね。百歳くらいまで生きるとしたら80年ぐらいあるかな」
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