793: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:19:03.46 ID:d46RIvVr0
佐天「これだけでも一苦労だっつーの……」
誰に言うわけでもなく、そんな不平を一人ぼそっとつぶやく。
ゆっくりとかがみこんで、床に置いてあったロウソクを手に取った。
794: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:19:34.85 ID:d46RIvVr0
広間まで出てきた。
壁に立てかけてある、板はそのまま置かれていた。
佐天「…………」
795: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:20:08.48 ID:d46RIvVr0
玄関に足を踏み入れた。
下駄箱が数列並んでいた。
だが、いずれもまっすぐに並んでいるとは言えず、本来の位置から一部がずれていた。
796: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:20:51.75 ID:d46RIvVr0
佐天「な……最悪じゃん、これ……」
目の前に飛び込んできた光景に、呆然とした。
そして、その場に力なくしゃがみこんでしまう。
797: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:21:23.36 ID:d46RIvVr0
佐天「――!?」
奥の広間へと通じる引き戸が閉じられていた。
揺れで扉が動いたのだろう。
798: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:21:54.18 ID:d46RIvVr0
引き戸は――開くどころか――
取っ手から指が離れた。
それで、今まで引き戸を引っ張った力が殺されるわけがない。
799: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:22:27.41 ID:d46RIvVr0
佐天「……んんっ……痛っ!!」
800: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:23:08.46 ID:d46RIvVr0
倒れ掛かった靴箱。
所々に汚れや破損が目に付くモルタル製の壁。
そして、広間とを仕切る大きな引き戸。
801: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:23:58.91 ID:d46RIvVr0
佐天「……どーなってんの……これ……」
目の前に見えている思いがけない変化に戸惑いを隠せない。
だが、ずきずきと痛む頭を押さえながら、開いた引き戸へとゆっくりと足を進めた。
802: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/01(金) 23:24:47.42 ID:d46RIvVr0
ほんのりとロウソクの淡い光で照らされる、広間。
相変わらず数メートル先は暗くてよく見えない。
どこに行こうかと何気なく周囲を見回す。
1002Res/516.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。