199:投げんな匙 ◆t4xyS9bQ1M[saga]
2011/01/25(火) 15:01:14.73 ID:SVOiBc3o0
薄明るい研究所のライトに照らされてぱっくりと口の開いた培養器は今にも何か出て来るような気配を彼女に感じさせた。
(な、なによここ…製薬会社にこんなに大きな培養器がなんで…?)
美琴は思った。まさか、ここで私のクローンが作られているのではないかと。
そんな事を考えつつ彼女は奥の部屋に向かっていく。制御室だ。
彼女の得意技であるハッキングで砥衛薬会社のパソコンを起動させる。
そしてデータを復元させる。
するとディスプレイに次々を言葉が表示されていく。
『超電磁砲量産計画 妹達 最終報告』
美琴は一瞬唖然とする。そしてその次に瞬間に体に言いしれぬ悪寒を感じた。
(え?ちょっとあの時のDNAマップが?)
あの時…美琴は幼少時代に医師にDNAマップを提供した事がある。
今回のクローンもそこから作られたと最終報告書には記載されている。
美琴は後悔した。
実は幼少時代、DNAマップを提供したことによって自分のクローンが生まれてしまったのだという事実に。
しかし、この文章には続きがあった。
美琴は最終報告を読み進めていく。
どうやら御坂美琴のクローンはレベル5にはならず、よしんばレベル3のクローンまでしか製造できない、との事だった。
これによって美琴のクローンである妹達は中止し、永久凍結されたそうだ。この研究に携わった各チームも順次解散しているらしい。
「はは…は、やっぱ私のクローンなんているわけないんじゃない…」
「さ、寮監に門限破りがバレる前にさっさと帰りますか」
(何よ、あのギョロ目、脅かしてくれちゃって)
美琴は夕方会ったギョロ目、もとい布束砥信の言っていた事の事実確認を済ませると足早に去っていった。
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