224:投げんな匙 ◆t4xyS9bQ1M[saga]
2011/01/26(水) 10:44:14.56 ID:kFxmX+Fj0
――八月十六日
美琴は多摩センターの駅前で座っていた。
目からは全く生気が感じられない。
それもそのはず。
彼女は昨夜二十一時から始まった、第九九八二回目の実験を目撃し、介入し、敗北したから。
「ベンチで夜明かししている少女がいると思ったらあなただったのね」
目の下に大きなくまを作った美琴はおもむろに顔を上げる。
そこには数日前に雑居ビルで遭遇したギョロ目の女。布束砥信がいた。
「その様子だと…計画を知ってしまった様ね…」
「あなたには止めるすべがないから関わらない方が良と言ったのに…」
「…何であなたはこの実験に加担して居たのにマネーカードをばらまいていたの?」
布束が妹達の量産計画に加担していた事はPDA端末ファイルで入手した情報で美琴は既に知っている。
しかし、そんな彼女が何故、量産計画の延長に当たるこのレベル6シフト計画を妨害しているか美琴には分からなかった。
「世界とは…こんなにもまぶしいものだったのですね」
「は?」
「以前ラボの屋上から外の景色を見せた時、あの子が言った言葉よ」
「…そう」
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