291:投げんな匙 ◆t4xyS9bQ1M[saga]
2011/01/29(土) 14:58:40.72 ID:iSm8z8mn0
「ふふふ…まるでクモみたいね…」
「…ッ!!」
(ダメだ…今は我慢よ…取りあえず…体力を回復しなきゃ…)
麦野のせせら笑う声が美琴の耳に届く。
クモ、その一言に美琴は反応しそうになるが、今はフレンダとの戦いで疲れた自分の体力回復を目指すのが先決だ、と判断を下す。
相手の能力を把握しなければ対策は打ちようがない。
美琴が壁に張り付き、麦野達の様子をうかがっているさなか、麦野は一瞬滝壺を見てすぐ美琴に備えて、前を向く。
「滝壺…一応待機…フレンダの調子は?」
「目立った怪我はないよ…ただ相当疲れてる。大健闘だよ、フレンダ」
「結局…止めることは出来なかったって訳よ…はぁ…はぁ」
フレンダは申し訳なさそうに下を向きながら二人にぺこりと頭を下げる。
美琴との戦いは悔しいがフレンダの負けだった。
しかし、美琴を疲弊させるという、勲章ものの戦功をあげた。
「良いわ、フレンダ、そのまま下がってなさい」
フレンダは最初はその声に聞こえないふりをする。まだ戦おうと思ったのだろう。
しかし、「フレンダ」と語気を強くする麦野の前でははばかられ、おとなしく「わかった」と承服した。
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