350:投げんな匙 ◆t4xyS9bQ1M[saga]
2011/01/29(土) 18:47:21.14 ID:iSm8z8mn0
――浜面と麦野が乗っている車
「送ってくれてありがと、浜面」
「あぁ」
「寄ってく?」
「お前、怪我してんだろ、休まなくてもいいのかよ」
その言葉に麦野はかぁと体が熱くなる感覚を覚える。
浜面が自分の怪我を気にしてくれた。その事だけでもうれしい。
「怪我はもういいの…、で、どうなのよ?来るの?」
浜面に家に来てほしいと思う反面、答えを聞くのが恐かった。
もし、「いや、今日はいいや」とか言われたら、一人泣いてしまうかもしれない。
さびしい。一緒にいてほしい。彼女はそう思った。
「…じゃ、ちょっとだけ」
「ちょっと…じゃなくて…泊ればいいじゃない…」
後部座席にいる麦野を浜面はミラー越しに見つめる。
アイテムの女王と自他共に認める麦野。しかし、その女王は無能力者のスキルアウト上がりの男に完全に恋していた。
浜面の返答次第で彼女は一喜一憂するかわいらしい女の子になる。
ただ、彼女のプライドか、はたまた恋愛に対して臆病な所が彼女を一歩踏み出せない臆病者にしていた。
「…じゃ…泊るかな…取りあえず…お前ん家着いてからだな…」
「ん。わかった」
麦野は後部座席の窓を半分ほど開けて、新鮮な空気を吸う。
今日の任務は久しぶりに激しい戦いになった。
「今日はお疲れさまだったな。相手は…常盤台の超電磁砲だったんだろ」
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