354:投げんな匙 ◆t4xyS9bQ1M[saga]
2011/01/29(土) 18:49:41.10 ID:iSm8z8mn0
(麦野は…どう思ってるんだ、俺の事)
(俺の事求めてくるのに…好きなのか…それすら…わからねぇ…)
浜面は金髪の頭をバリバリをかく。
彼は麦野の事が好きだった。ただ、滝壺をちらちらと見ている自分が居るのも事実だった。
正直、滝壺も麦野もどっちも捨てがたかった。こんな事を言ったら即、殺されるので勿論浜面は公言しなかったが。
(先に俺の事…誘ってくれたのが、麦野だったってのが大きいなやっぱり)
初めてアイテムで仕事をこなした時、浜面に声をかけてきたのは麦野だった。
滝壺は静かでおっとりしてかわいい、ちょっと無口。
麦野は自己中だけど、綺麗だし、ああ見えて純粋そう。
これが浜面が抱いている二人の最初の印象だった。
全く正反対に見える二人になぜ浜面が興味を持ったのか。それこそ、彼の守備範囲の広範さが物を言わせている。
(今でも…正直滝壺の事ちらちら見てるのは認める…。すまん、麦野。ケド…俺は麦野が好きなんだ)
散々麦野にこき使われた揚句の決断だった。それでも後悔していない。
浜面は滝壺に対する好意よりも麦野に対する好意の方が上回っているのだ。
しかし、それを踏まえたうえで浜面が麦野に以前告白した時、彼女は浜面に「滝壺のことばっかり見て」と言い切り、返答をうやむやにした。
浜面は「見ていない」と答えたがやはりその質問の答え方は歯切れの悪いものだった。
なので麦野に一層の不信感を与える事になってしまったのだ
(…ちゃんと言おう!)
浜面がリビングで勝手に覚悟を決めていると洗面所から「痛いっ!」と声が聞こえてきた。
彼が駆け足で洗面所に向かっていくと消毒液をひたしたティッシュを裂傷した部分に当てがっている最中だった。
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