451:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:41:56.98 ID:ofO3IuS6o
「おい、そこの中学生」
心臓が止まるかと思った。
佐天は初春が風紀委員の仕事に引き抜かれた時に同時に帰れば良かったのだ。
しかし、いまさら帰ることなど出来ない。
仕事用のタブレット型携帯電話は柵川中学のバックにしまってある。
電池が無尽蔵なのでここ最近は電源を切っていなかった。
いや、バイブレーションの設定だけでもオフにしておけば…。
よりによってなんで数あるファミレスで偶然アイテムと鉢合わせしてしまうんだ?
しかも隣の座席!私が一人になって時に…携帯が鳴る…!
携帯電話が鳴った直後に話しかけてきていると言うことは…今送られてきたメールは麦野さんから送られてきた任務終了の報告メールだろうか?
佐天は自分が麦野に背中越しに呼ばれているさなかにどうしてばれたのか、ということを反芻していた。
いや、まだばれた訳では…と思ったが無駄だった。
二件もメールを送ってきた麦野の事だ。しっかり佐天の携帯電話が鳴っているのを確認しているだろう。
佐天は突如として訪れた自分の正体がばれるという危機に怯え、体がぶるっと震えるのを感じた。
振り向こうと体を動かした時に麦野達以外の人からフォローが入る。
佐天をただの一般中学生と思っているアイテムのメンバーの麦野のあてずっぽうの様な推理で指名された彼女(佐天)に対する配慮だろうか?
彼女はそれらのフォローを聞きつつも体の半身をよじり、アイテムの座っている座席の方に振り向く。
「なんですか…?」
「…いや…わりぃがちょっとそのままで居てくれ」
人違いの可能性も麦野は懸念しているのだろう。
彼女はまだ電話の女と確定した訳でない、佐天の方に少しだけ頭を下げると麦野の片手に握られた携帯から再び無言メールが送信されていく。
すると間髪置かずに佐天の携帯電話が震える。
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