455:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:44:27.68 ID:ofO3IuS6o
「どうして電話の女なんかに?」
「……それは…、幻想御手事件以降…いきなり携帯電話が送られてきて…」
脳内に浮かび上がる単語一つ一つを慎重に選ぶようにして佐天はゆっくり話す。
アイテムの面々は佐天の言うことに小さく頷いたり、ジュースを飲みながら話を聞いている。
皆一様に色んな事をしているが、佐天の事を見つめていた。それが彼女の緊張をいやがおうにも維持させてしまっているのだが。
「幻想御手ねぇ…あの音楽ツールのヤツね…」
麦野は思いだすようにして頷く。
そして「携帯電話が送られてきたのはいつ位なのよ?」と質問を繰り出す。
佐天は「幻想御手の一件で補習があったので…八月の第一週目です…」と今にも消え入りそうな声で話す。
「で、リクルーターからスカウトされて電話の女になったって訳ね…」
「はい。そうです…」
佐天が答えた後、しばらく沈黙が彼女たちの座席に舞い降りた。
レストラン内のスピーカーから漏れる軽快なジャズサウンドと空調の音が妙にうざったく皆の耳朶をうつ。
この状況を現出させた張本人である麦野は何とも言い難い雰囲気にうざってぇと内心ツバを吐くが、自分のせいだな、と自覚し一人苦笑する。
「はい、このムード耐えられない、浜面クン!何か一発芸!はいっ!どーぞ!」
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