468:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 04:00:16.23 ID:ofO3IuS6o
知り合ったばかりの佐天には本当の内容は言わない。
適当に恩師と言っておくが、フレンダの胸中はザザと焦りという波がうねり始めていた。
結局、姉がここを出てから数年たっていた。
そんな姉と、どうやってコンタクトを取ればいいというのだ。
佐天に聞いたところ、情報データバンクにはステファニーの連絡先は記載されていないようだ。
わかることと言えば、学園都市で教鞭を握っていた事と警備員として活動していただけ、と考えたところでフレンダの頭に電撃が走った感覚を覚える。
「ねぇ、ごめん涙子」
「え?」
いきなり名前で呼ばれたことで佐天は驚くが、そんな事にはお構いなしにフレンダが続ける。
「第十四学区のどこ高校だかわかる?」
佐天は再びタブレット型の携帯電話に目を通す。
そしてフレンダに高校の名前を告げる。
彼女は佐天に「メモ帳ある?」と言ってメモ用紙を貰うと高校の名前をさっと書きとめて、その紙をぐいっとポケットに入れる。
そしてフレンダは「ありがと!」と言うとドアを出ようとしていつものお気に入りのパンプスをはく。
最終下校時刻まであと少し。第十四学区はここからそう遠くない。
フレンダは勢いよく走りだしてかの地へと向かっていった。
一人残された佐天は誰なんだろう、ステファニーって、と思いつつ寮の外を出て走っていくフレンダを窓から見つめていた。
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