512:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/14(月) 01:27:03.25 ID:J4PEtpCFo
ヒュボッ…
しかし、期待と不安に渦巻く心境のステファニーの要求にはおいそれと応えない黒人教師。
彼はスーツの裏ポケットからデュポンのジッポーを取り出して、胸ポケットから取りだした煙草に火をつけていく。
着火した煙草をひょいとくわえ、「ふーっ」、と男は口から煙りをはく。
そして、一拍置いてから口を開く。
「妹さん、お前の事を聞いて来たよ」
瞬間、自分の体を確かにびりりと電気が走り抜けるのをステファニーは知覚した。
彼女は「本当?」と黒人教師に聞き返すと、その男はこくりと頷く。
「私の妹、フレンダは、何を聞いてたんですか?」
「お前の行方だよ」
ステファニーが妹を探している様に、妹も私の事を探しているのだ。
それが彼女にとっては嬉しかったし、同時に辛かった。
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