767:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/03/13(日) 18:37:03.84 ID:RnZvJev9o
フレンダは絹旗の質問には答えずシッ!と口に指を当てて静かにするように伝える。
彼女は手鏡を出して通路の先が安全かどうか確認する。
(奥の方に警備の狙撃手がいる…スクールの配下の人間かしら?)
フレンダは音を殺して静かに背中に背負っている狙撃銃、アキュレシー・インターンナショナルを構える。
通路の反対側に積み重なっている段ボール機材の方にタッ!と跳ぶ。
タァン!
一瞬。静寂を打ち破る射撃音が工場内に響き渡る。
(やっべ、ばれちゃった?)
瞬間、絹旗が一瞬の内に飛び出して、狙撃手が居ると思われる所に一気に目の前にあった消化器をブン!と凄い勢いで投擲する。
しかし、投擲された消化器はガァン!と音を立てて、破裂し、真っ白の消化液を派手にまき散らすだけだった。
「完全に読まれてましたね…相手は対人レーダーでも装備してるんですかね。確かに気配は殺したんですが…!」
絹旗は通路を隔てて反対側にいるフレンダに話しかける。
恐らくここから出れば弾丸に撃ち抜かれるのは明白だった。
彼女の能力である窒素装甲を使っても良かったのだが、いかんせん薄い窒素の膜を張れるのは手のひらから数十pの範囲のみ。足を打たれでもしたら失血死もあり得る。
「ここは二手に分かれて通路の先に居る狙撃手を片付けましょう…!フレンダ、援護頼めますか?」
「OK!やってみるわ」
敵ながらあっぱれの防衛方法だな、とフレンダは思った。
研究所の通路の角を曲がれば長い渡り廊下。
まっすぐに突き進むだけなのだが、シンプルながら最も施設防衛しやすい構造だ。
なにせ、敵が出てきたら鉛玉をありったけぶち込めばいいのだから。
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