839:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/03/19(土) 04:28:54.77 ID:k76KLL5go
「……」
「あーむかつくわ。お前ここで死ね」
麦野はそう言うと掌から鮮やかに光る、原子崩しを顕現させる。
こうなったらいよいよヤバイ。フレンダはあたふたと辺りを見回すが誰もいない。ただ静謐を保ったうす暗い立体駐車場がたたずんでいるだけだ。
立体駐車場から数十メートルも走れば明るい市街地に繋がるのだが、それはフレンダにとってどこか遠い世界のように感じられた。
「ま、待って!麦野!結局、裏切ったのは謝るから、ね?」
「今更、命乞い?フレンダ」
「否定は……しないわ」
フレンダは麦野の目を見てそう言うと「ダメかな?」と潤んだ目で彼女の機嫌を伺う。
しかし、麦野はフレンダの懇願に頑として答える気はなかった。
「アイテム売っといて今更そんなの聞き入れるわけねぇだろ、バカかお前。頭にウジでも沸いてるんじゃねぇの?」
「……本当に、もう二度と、裏切らないから…今度こそ」
「ホント?なら生まれ変わったら次のアイテムでは裏切らないようにするんだなぁ!フレンダァ!!」
麦野はそう言うと原子崩しを極細の形状で顕現させると右足のふくらはぎの辺りを小さく撃ち抜く。
フレンダは「あ…」とぼーっと自分の撃ち抜かれた傷を見る。
一拍の間を置いてから貫通した傷口からごぽっと勢いよく血が出始めた。
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