896:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/03/23(水) 02:41:31.39 ID:tfAIRlH5o
――第三学区 立体駐車場
体晶を飲め、そんな提案には決してうなずけない。
滝壺は麦野の刺す様な視線から目をそらさずに首を横に振る。
「勝てる見込みがあるなら、体晶を使っても良いよ。ケド、むぎのは今日の朝の闘いでもスクールの垣根に勝てなかったよね?」
「うるせぇ…!いいから飲め!」
「麦野っ!こんな馬鹿な争いはやめて今日は退こう!フレンダだって死んだ訳じゃ無いんだろ?明日探せばいい!」
麦野の頬に一筋の涙が伝っていく。
「わからねぇんだよ…!なにしたら良いか…!」
「むぎの…」
「帰ろうぜ…?麦野。心理定規だかなんだかしらねぇが、傷の手当をして、休んでまずはそっからだろ?」
浜面の説得に麦野の心が動かされたのだろうか?
麦野はまだ見える右の目から伝う涙をぬぐうこともせず、小さく、ほんの小さく頷いた。
「なぁ、滝壺、絹旗はどこに行ったか分かるか?スクールと戦ってから姿みてなくないか?」
「確かに…。大まかな方角だったら分かるけど…。距離は体晶を使わなきゃ分からないよ」
浜面は「そうか」と言うと携帯を取り出して絹旗を呼び出そうとする。
その時、ちょうどタイミング良く絹旗から電話が掛かってきた。
スクールとの戦闘で負傷したので出るか不安だったが、すぐに出る。
浜面が「おう、絹旗」と言いかけた時、絹旗の声が先に浜面の受話器に届いた。
1002Res/828.42 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。