過去ログ - キョン「戯言だけどな」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:50:22.41 ID:IClwZiHj0
哀川さんは豪快に笑う。ファミレス中に轟く、大音量でその人は笑った。

「正直、諦めてた部分も有ったんだよ。アタシらしくもないが、それでもちょっと強くなり過ぎたっつーかロープレでチートして途中からゲームをする事自体がダルくなる感じだな。やっぱ最初から勝敗が分かってるような敵じゃ、こう……燃えねえよなあ」

燃え盛る炎のような真紅で全身を染め上げて、立ち上る存在感は最早熱気としか形容のしようがない。炎と比喩して何の問題もないであろう人類最強の口から出た「燃えない」という言葉。
この女性は、俺の目から見れば人間ビル火災でしかない圧力を放つ彼女は、それでもまだ燃え足りないのだろうか。
熱血、なんてレベルじゃねえ。
劫火……劫血。
それはすなわち、豪傑。

「だが、やっぱり人生ってのは面白いねえ。諦めなきゃきっと道は開けるとはよく言ったモンだぜ。まさかこのアタシの為にモノホンの人外を用意してくれてるたあ、流石のアタシも恐れ入った!」

言ってバンバンとテーブルを叩く。その頬は高翌翌翌揚からか赤く紅潮していたが、それとは対照的にこっち側、いーさんと井伊崩子さんは顔面蒼白だった。恐らく、俺も同じような顔色なんだろう。そんなのは鏡を見なくても分かった。
宇宙人と力比べ!?
そんなのは常人が考え付く発想じゃねえ。そんなのは思い付いたって実行を口に出す事すら憚られる。
それを哀川さんは。
笑って。
心底楽しそうに。
笑って口にする。
俺にはその心境が、いや哀川潤という女性の存在そのものが理解出来ない。

「……本気、なんですか?」

「本気も本気。超本気だぜ、キョン。戯れでこんな事を口にするのはそこの戯言遣いくらいのモンだ」

「哀川さん。貴女は長門の……宇宙人の事を何も知らないからそんな事が言えるんですよ。俺はそりゃその力を見た事だってほんの少しだしアイツの事を全て理解してるとはとてもじゃないが言えない。だけど、それでもアイツには」

情報操作能力。動く事をすら不可能にして、机を槍の雨に変え、抵抗を許さず存在を光の粒に昇華する力。
哀川さんが、ゲームで例えるなら全ての能力値がカウンターストップしてる超絶無敵のキャラクタであったとしても、長門はそのゲームの枠組、システムの方をどうこうしてしまえる存在だ。

「人である限り、勝てません」

こう言えば、諦めてくれるだろうと思っての発言だった。実際、長門と戦って勝つ方法なんて俺にはてんで見当がつかん。しかし。
しかし、俺は間違えた。哀川潤という人の人となりを見誤った。
炎は、焼き尽くすまで止まらない。

「へえ! ソイツはいいな! 今までで最高に楽しい喧嘩になりそうじゃねえか!」

火は、油を注げば燃え上がる。そんな事に、なぜ気付けなかったのか。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず。だが、アタシは言ったよな。勝つ事が最初から分かってる喧嘩になんざもう、飽き飽きしてんだよ。未知との遭遇にワクワクしちまうのは孫悟空だけだと思ったか?」


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