19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:57:58.72 ID:IClwZiHj0
「話し合いで済むのならば、それに越した事は無いと思っていたんですよ。そういうのがぼくの戯言における本領ですからね。ただ……ただ、哀川さんがそちら側に回っているのは予想外でした」
いーさんは言う。
「貴女は、貴女だけは正義を間違えないと思っていましたから。どうやらぼくの買い被りだったようでほっとしていますよ。哀川潤も、人の子だったんだな、なんて。変な話ですけど」
戯言遣いの口振りから俺は理解する。この目の前に居る哀川さんとやらは、ちんけな言い方になっちまうが「正義の味方」ってどうやらそんな役回りらしい。本来ならば。
だが、世界の終わりに加担しておいて、それでも正義の味方だなんてそれは虫が良過ぎる話だろう。それとも。
本当に正義の味方なのだろうか。
それこそが正義なのだろうか。
俺だって疑問に思った事が無い訳じゃない。ただ一人の少女の掌の中に収められている世界。ソイツが健全なのか、どうか。
言い方は悪いかもしれないが、それは独裁ってヤツによく似てる気がしないでもないんだ。だったら、ハルヒの手から世界を零す事は、それを企む事は果たして悪か?
だけど、正義だなんて信じたくない。そんな俺が居る。
俺たちは色々やってきたけど、それでもそれなりに楽しい毎日を、非日常を日常として生きてきたはずなんだ。
それを。
悪。
だなんて一言で切り捨てられる事に、俺は首を縦になんて振れない。
「どっちが正義かなんてどーでもいい話だろ。ここのクソ親父の思想だって、誰かから見りゃ正義には違えねえ。だったらそれぞれが好きにやりゃあいい」
「好きに……貴女はただ自分の力を見定める為だけに結果として世界を危うくするつもりですか?」
「世界の危機と哀川潤の強さの見極めと。そのどっちがアタシにとって比重が大きいかなんてのは、何を言った所で結局アタシにしか分かんねーよ」
強くなり過ぎた人間しか知らない荒野。山に登らなければ、そこから見える風景なんてのは分からない。つまり、そういう事。
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