過去ログ - キョン「戯言だけどな」
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 21:34:24.61 ID:IClwZiHj0
大泥棒。耳慣れた単語のような気がするが、それは恐らく猿顔の某三代目が余りにも有名な為であり、しかして実際の現在日本にはそぐわない言葉なのは俺でなくても首を縦に振る所であろう。うむ。
暗殺者だとか殺人鬼だとか、なんかここに来てハルヒの願望実現能力が暴走を始めたんじゃないかと思う程の現実感の無さじゃないか。それとも、俺が知らなかっただけでこういう世界も粛々と存在してきた、っていうのか?
どこで「あちら側」と「こちら側」がクロスしたのだろう。ああ、考えるまでもねえ。交点はいつだって一つ。
涼宮ハルヒ。
「あちら」と「こちら」の橋渡し。今まで辛うじて保ってきた絶妙なバランスが、絶妙だったが故に崩れただけなんだ。
つまりこれは、紛れも無い現実。

「大泥棒……ですか」

しみじみと噛み締めるように口にした俺の言葉に、石丸小唄は満足げに頷く。

「ええ。泥棒ではありません。『大』泥棒です。お間違えなきように、私の敵」

どうやら彼女はその辺りに拘りをお持ちのようだ。機嫌を態と損ねる必要性も感じられない俺は言われるがままの呼称を利用して彼女に質問をした。

「それで、その大泥棒サンとやらが一体どうしてハルヒを狙ってやがるんだ?」

当然の疑問。俺と石丸さんの間で草むらから隙を窺う肉食獣よろしく臨戦態勢バリバリの空気を漂わせている人類最終、想影真心の肩がピクリと動いた。

「おい、お前。理由なんて聞いたら戦いづらくなるだけって知らねえのか? それとも俺様の楽しみを奪おうとしてるんじゃねーよなあ?」

滅相も無い。怪物クン同士の争いなんか俺に出る幕は無いだろうし、干渉どころか緩衝すらままならんだろうさ。
だが、それでも。目の前で血みどろの殺し合いが始まろうとしてるかも知んねえってのに、観賞するだけなんざ真っ平ごめんだ。
俺は、聞いておきたい。
なぜ、戦わなければならないのか。なぜ、涼宮ハルヒなのか。
話が通じるのなら、心は通じ合わなくとも、筋は通すべきだとは思うんだよ。


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