過去ログ - キョン「戯言だけどな」
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44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 23:08:58.70 ID:IClwZiHj0
俺の表情から何を読み取ったかは分からない。石丸小唄は俺の眼を見つめた。紫水晶をそのまま填め込んだような透き通った眼で。
その濁りない眼は、その持ち主が決して話の通じない相手ではない事を俺に教えてくれている。

「……なるほど。私の敵。貴方は涼宮ハルヒの力の成り立ち、もしくはそれを消失させられるかも知れない機会に立ち会った事があるのですね?」

「ああ」

そしてたった一人、俺のエゴでそれをこの世界に遺した。遺恨、と言い換えても過言じゃあない。
誰かが傷つくような未来なんて、想像だにしなかったってんだからお笑い種だ。どこまで明るいんだよと嘲られようと俺には一言も返せやしない。ああ、俺は馬鹿だ。分かっちゃいたけど、大馬鹿野郎じゃないか。

「俺のエゴで、そのせいでこの世界じゃまだ不思議が存在し続けてる」

奇々怪々が闊歩してるのだって、俺に責を求めた所で間違いじゃあないんだろう。
気付いちまったら、後悔ばっかが湧いて出てくる。もしかしたら目前の大泥棒に断罪して貰いたかったんじゃあないかとすら思う。けれど、大泥棒は首を振った。

「それがどうかしましたか?」

至極、あっさりと。

「さっきから聞いていれば何様のつもりですか、私の敵。自分のエゴで世界が狂ったなどと考えているのだとしたら、人を馬鹿にするのもいい加減になさいと言わざるとえません。どこの誰がエゴに則った行動をしていないと言うのです。
社会とは誰か一人だけによって作られるものではない。その事すら分かってないのでしょうか? それぞれがそれぞれの行動で作り上げているのが社会です。誰か貴方に責任を求めました? 少なくとも私は私の世界の責任を自身以外に求めた事などありません。
自分のせい? まるで世界が自分のものであるかのようなその言い草。思い上がりも甚だしいとはこの事ですわ、私の敵」


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