52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/20(木) 01:07:43.66 ID:l1nLUIO70
二重の破裂音の後、想影真心と石丸小唄は距離を取って対峙していた。なんだなんだ? 何が起こってやがるってんだ? いつもならこんな時、解説役を買って出るはずの超能力者はぶっ倒れたまんまだし、ああ、意味が分からんぞ。
「小唄さんが一喰いに一喰いをぶつけようとして、咄嗟の判断で真心が激突を避けた、って所だろうね」
隣の戯言遣いは落ち着き払った声音でそう言う。
「見えてんのかよ、いーさん?」
見えてるだけでもびっくり人間としてテレビに出れそうな攻防だ。実際、俺には二人の間で何が行われてるのか皆目検討も付かん。なんか見た目だけで「普通っぽい」とか評価しちまったが、しかし戯言遣いはそんな訳でもないらしい。
「いや、見えないよ。ただ、推察は出来るってだけさ。」
「推察?」
「ああ。さっき言ったけど。一喰いって言うのは分解する技なんだ。ぶつけ合えば、例えば刀同士なら鍔迫り合いになるだろうけど、一喰いの場合は両方が肘から上を失う結果にしかならないだろうね」
「なるほどな。石丸さんが一喰いを使ったのはなんとなく俺にも分かった」
「うん。それであのタイミングなら相打ち覚悟しか小唄さんに選択肢は無かったとぼくは思う。けど、二人とも腕はちゃんと付いているし、なら真心が軌道をずらしたんだろう」
睨み合う二人を見ながら呆気に取られる。……腕一本を無くす行動を躊躇なく行うとか、どんな世界だよ、オイ。
「小唄さんが怖いのはそこだけじゃない。彼女、一度見ただけで一喰いの技術を『盗んだ』んだよ。ぼくの知る限り、そんな真似が出来るのは真心くらいだ。もしかしたら真心のコピースキルを『盗んで』いたのかも知れない」
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