552:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 12:50:47.08 ID:itzVSEe30
ハルヒの背中が震えた。肩の震えは最初は小さく、徐々に大きくなっていき止まる気配は無い。小さくしゃくり上げるような声も聞こえてくる。俺はソイツの背面、団長様専用デスクに茶の入った湯呑を置くといつも通りの定位置に座った。
窓の外では世界の終りが進行している。とは言ったものの、実際何がどうなったら世界が崩壊するのか、なんてのは俺には分かりようもない。神人の振るう拳が俺たちの居るこの場所を叩き潰したら、とかかね?
まあ、いい。
「茶、冷めてから飲んで不味いとか言われても、そりゃ俺のせいじゃ無いからな」
言ってちびりと口を付ける。当然だが、朝比奈さんが淹れたヤツとは天と地ほどの違いが有るぜ。お湯の温度を几帳面に計ってる訳で無し、これで同じ味が出せたりしたらむしろ申し訳無いってなもんか。
「……不味い」
以前、俺に背を向けるハルヒの声は湿っている気がした。が、本人の名誉の為にもこれは気付かない振りをしておくべきだろう。
「一口も飲まないでそれを言うかい?」
「飲まないでも分かるわよ。アタシを……誰だと思ってんの?」
それにしたって色も匂いも確認しないでとは、某美食倶楽部のおっさんもびっくりだ。……事態が事態なだけに味なんて気にかけてられないだろうけども。しかし、一口くらい口を付けるのが礼儀じゃ無いかねえ。
「誰だと思ってる? お前こそ、お前を誰だと思ってんだ?」
「……知ってるんでしょ? アタシは……神様なのよ」
狐面の入れ知恵は、どこまでもハルヒを侵食しているらしい。どんなやり方でその理解をコイツに促したのか、そんなのは知った事じゃないし推測すんのも胸糞悪い。
それに……それに、その理解は勘違いにしても行き過ぎだ。
「お前は涼宮ハルヒだ」
神様なんて信じちゃいない。生憎、俺は無宗教なんだよ。
「神様じゃない。ただの女子高生で……SOS団の団長だ。違うか?」
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