7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:25:20.37 ID:IClwZiHj0
「あの……スマンが話がさっぱり掴めんのでこの辺で俺はお暇させて頂いてもいいだろうか?」
言いながらも俺は後ろ足に重心を掛け始めていた。男に隙を見つけたらその時点でマイケルばりのムーンウォークでもって逃げ出す気は満々だ。
「いや、ぼくは別にいいけどね。ただ、ここでぼくとの間にフラグを立てておかないと多分、君の友達はみな死んでしまうと思うけど」
死んじまう? 何、物騒な事言ってやがるんだ、コイツは!?
「涼宮ハルヒ……ね。ぼくもその存在を知った時には正直驚いたよ。そんな、それこそ戯言みたいな存在がこの世界に居るものか、居てたまるか、ってさ」
「ハルヒ!?」
「そう、涼宮ハルヒ。彼女と、彼女の周り、そして世界に危機が迫っている。つまり、君にも例外なくだ」
そう前置きして、ソイツは喋り始めた。長くなるので仔細(ソイツが言う所の「戯言」)は割愛してここでは俺に出来る限りの要約をしてみようと思う。
あるところに、世界の終わりを求める男が居た。ソイツは俗に言う所の天才だったが、しかしそれはスペックに関してでありそこに搭載されているソフトウェア、つまりは人格の方が破滅的に壊滅していた。
天才で、天災。
その狂気の男は考えられうる限りの方法をもって世界の終わりを模索したそうだ。そして、それは確かに何度となく世界の終わりを呼び、「いい所」まではその都度行ったそうだ。
そして、その過程で「戯言遣い」とも戦争を繰り広げたとの事。俺には目前の男に戦争なんて真似が出来るとは思えなかったからこの辺りは話半分である。
結果として世界の終わりを目論む男、戯言遣いが言うところの「狐さん」とやらは未だもって生き永らえ、そして未だもって世界の終わりを捜し求めているという。
「まるで悪の秘密結社だな」
俺の感想に対して戯言遣いはこう応えた。
「まるで、ではなくそのものだし、それに悪でもない。『最悪』なのがあの人の最悪な部分でね」
話を続ける。
そしてソイツ……狐さんとやらは世界を終わらせる方法を探す過程で、一人の少女について知る事になった。
それが、ハルヒだ。
神様の創った世界を壊す、一番手っ取り早い方法。世界における唯一のリセットボタン。それの存在を俺は痛い程知っている。
ただ一人、たった一人の少女に絶望を教えてやれば、それでいいという事。
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