9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/19(水) 19:28:54.49 ID:IClwZiHj0
「こんな事は驚くに値しない。それよりも、こういった事を平気で行えるような人間が君の前に現れた、その事をこそ君は驚愕するべきだとぼくは思う」
「どういう意味だよ」
「君は知らないのかな? それとも知っていて考えないようにしているのか。別にどちらでもぼくはいいけれどね。『鍵』。宝物の鍵。それは宝物に次ぐ優先順位で守られるべきものだ。
つまり、宝物についでリスクが高い……次に狙われるのは、まず君だ」
知ってか知らずか知らないが、その台詞は実は一年以上遅い。
「悪いな。そういう話なら俺はもう聞いてる」
「そうかい。では、君に機関の護衛が四六時中、二十四時間付いている事もぼくが今更口に出す必要も無い訳だ」
「へ?」
「おや、こっちは初耳だったかい?」
男は言って、髪をかきあげた。
「君の前にこうして得体の知れない人間が立つというのは、実は骨の折れる、これだけで一つの仕事なのさ」
……いや、考えてみれば確かに男の言うとおりなのかも知れん。俺がもしハルヒの力を狙っていたとしたら、ハルヒに絶望を強要するつもりならば、最初に狙われるのはアイツの身内。
SOS団だ。
そして、その中でもっとも攻略が容易な、言い換えるなら特殊な背景を持たない人間。
そいつは俺で、間違いない。
「まあ、その気になれば玖渚の名前を出して穏便に済ませる事も出来たけどね。しかし、それだと友の耳にまでこの事件が伝わりかねないから。
機関……同じ玖渚機関でありながら所属が違うだけでこうも秘密主義なのはどうかと思うけど、まあ仕方ないか。壱外も体質は同じだ」
「玖渚、機関?」
……機関? どっかで聞いた事が有る単語じゃねえか?
「ああ。トップシークレットらしいけれどね。この件に関しては玖渚機関の弐栞が管轄らしい」
「それってーのは、古泉のヤツが言う『機関』ってヤツの事かよ、戯言遣い?」
俺の問い掛けに頷くソイツ。
「古泉一樹。一の名を隠れ蓑に遣う弐栞を代表するプレイヤー。『優しい嘘(ブラフイズブラインド)』……そうかい。彼が涼宮ハルヒにおける責任者か。やりづらいけれど、しかし話の分からない人じゃなくてぼくはほっとしたよ」
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