過去ログ - キョン「戯言だけどな」
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97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/28(金) 20:55:22.00 ID:64Dz4WvU0
焦燥する。時間移動の目的が短絡的過ぎた……のか。まさか俺が時間遡行する所まで人類最悪は読んじゃいないだろうが、それでも盤上で猛威を振るうのが目に見えている「女王(クイーン)」を先になんとかしておいてある、そこまで俺は考えておくべきだった。
SOS団ってのについて少しでも聞きかじっているんなら、そりゃ人数と構成くらいは抑えられていて当然の話。
どうする……どうする? 時間は限られている。その間に状況をひっくり返し、ハルヒの誘拐を阻止して古泉といーさんを救援に向かう、そんな逆転の一手。
そんなもの……そんなもの、どこにも転がってや……。

「あらあら、深刻そうじゃない。どうしたの、こんな夜更けに?」

転がって、いた。

「なに? そんな真剣な目で見られると困っちゃうんだけどな。もしかして告白とか始まっちゃったりするの? なんてね、冗談だけど」

ソイツは手に良い匂いを漂わせるコンビニ袋を携えて俺たちの前に現れた。

「あ、これ? 長門さんのバックアップをしてたらお腹減っちゃって。もう、食い意地が張ってるとか今、失礼な事考えたでしょう? 止めてよね、そういうの。貴方には分からないだろうけれど情報操作ってすっごくエネルギを使うんだから」

青いロングコートに白いマフラ。長い髪はゴムバンドで一つに括ってあるのが好印象。ああ、こんな時に俺は何を考えてやがるのか。馬鹿か。馬鹿なんだな。ああ、馬鹿だよ。悪いか。悪いよ。

「いや、別にそんな事は考えてない」

「そう? なら、一緒に食べる? おでんなんだけど、最近のコンビニのおでんって結構美味しいのよね。私、びっくりしちゃった。時間が有ったら自分でも作るんだけど、思わぬライバル出現って感じ」

その手のサバイバルナイフをコンビニおでんに持ち替えて。
救いの女神か事態を更に引っ掻き回すトラブルメイカか。ああ、もうこの際どっちでもいい。事態は既に最悪なんだ。これ以上何をどうされようが、悪化はしねえだろうよ。だったら博打だ。賽を転がすのに何の躊躇いもあるものか。

「それとも……ふふっ。その感じだと、私にもようやく出番みたいね。良いわ、条件付きで助けてあげる」

クラスメイト、帰ってきた委員長。
朝倉涼子はその瞳を爛々と輝かせて、鮮やかに戦線復帰を果たしたのだった。


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