過去ログ - 上条「…ディアボロ?」4
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805:『吸血殺し編』:第4話 ◆K/7LL5shls[saga]
2011/01/30(日) 15:44:17.58 ID:tQkFKix50

姫神「―――『波紋疾走』ッ!」
屍生人「UGYAAAAAAAAAAAーーーッ!?」

姫神の手刀に、向かって来る屍生人の頭部が切り裂かれ、
溶けながら、その大きな体が崩れ落ちる。
これでもう何体の屍生人を塵に還してやっただろうか…

彼女の背後には、夥しい量の『残骸』がゴロゴロと転がっている。

姫神「ハァ…ハァ…ハァ…」

『波紋使い』としては未熟な姫神は、その呼吸の徹底が為されておらず、
それ故に、連戦の疲労により息が上がり始めている。
しかし、彼女に歩みを止めるつもりは無い。

姫神「(ようやく…ようやく…私はここまでたどり着いた)」


―――10年前。
姫神秋沙は『癒しの巫女』であった。

京都府には属していても京都とは山を一つ隔てた、
駐在所も無い様な小さな田舎の村に生まれた姫神は、
生まれつき不思議な『力』を宿していた。

冬眠に失敗した凶暴なツキノワグマを触っただけで大人しくさせた上で眠らせたり、
触るだけで出血を止めたり、怪我を治したり、酷い内臓疾患の老人を健康にしたり…
数々の『奇跡』を引き起こした。

村人たちは姫神を『神の遣い』として大層ありがたがったが、
同時に内気で引っ込み思案だった姫神を『人間らしく』温かく見守ってもいた。

姫神は幸せだった。
『温かい家族』『温かい故郷』に囲まれた、幸せな時代だった。

―――ああされど10年前。
そんな『幸せな時代』は唐突に終わりを告げ、
姫神は知った。
自分が『癒しの巫女』などでは無くて、実は『死神』であったと言う事を。

―――10年前。
遥か遠い西の果てから、一人の『怪物』が姫神の『故郷』へやって来た。
ソイツは、かつて『DIO』が戯れに創った『眷属』の一人だった。
『怪物』は引き寄せられて来たのだ、姫神の放つ『死の芳香』にッ!

―――10年前。
姫神の『故郷』は忽然とこの世から姿を消したッ!
ただ一人の姫神を無人の廃墟に残してッ!
ドロドロに溶解した不気味な死骸の群れと、夥しい量の塵芥を残してッ!

―――10年前
そう、全ての始まりは10年前。
10年前、かつての『DIO』の配下であった名も無き『吸血鬼』に『故郷』を滅ばされたその時から。
その『吸血鬼』と、コイツによって『屍生人』にされた村人たちを姫神自らが討滅したその時から。
『吸血殺し』、『姫神秋沙』の奇妙な冒険は始まったのだ。



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