14: ◆RLqqTM6o/csr[sage]
2011/01/23(日) 17:26:08.62 ID:ltIw3edqo
「どうぞ!」
純は嬉しさに、外気以上に内側から体が熱くなるのを感じて力いっぱいボールを投げた。
きっと、憂はこの話を私以外にはしていない。
私以外は憂のこの話を聞いていない
それって、嬉しいな。
にやにやと笑いながら投げたボールは、憂を通り越して、蝉の声が、夏の日差しが、熱気が、雲が満ち溢れる空へと飛んでいった。
憂はそれをぼうっと見上げて、そしてそのまま後ろへ倒れこみそうになり、なんとか足で体を支えた。
後ろを向いて、純が暴投したボールを拾いに行こうとして、ちらと純のほうを見た。
「……ありがと」
戸惑いがちな、小さな声は、やはり純のもとへ届いた。
純が親指を立てて、走って近づいてきたから、憂は大きく声を張り上げて、笑って言った。
「ありがとう、純ちゃん!」
103Res/68.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。