16: ◆RLqqTM6o/csr[sage]
2011/01/23(日) 17:28:36.83 ID:ltIw3edqo
「どうぞ」
生徒会長が歳不相応に大人びた笑顔で差し出した麦茶を受け取って、さわ子は目を伏せた。
口をつけて、グラスをくいと傾けると、冷たい水が体を内側から冷やした。
「……おいしい」
さわ子は優しく笑った。
彼女自身、こんな風に笑えるだなんて、思っても見なかった。
「夏は冷たい麦茶ですよね」
小さく首を傾げる生徒会長を見て、さわ子は、こういう付き合い方もありかも知れない、なんて思った。
どっちも必要以上に踏み込まずに、不必要な不快感を与えずに、程よい距離で、無難に微笑むような付き合い方も、いいのかもしれない。
さわ子は諦観か、安堵か、彼女自身も判断がつかないような気持ちを込めて、窓から外を見た。
「あ」
さわ子が間抜けな声を上げた。
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