過去ログ - 澪「合宿をします!」
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18: ◆RLqqTM6o/csr[sage]
2011/01/23(日) 17:31:22.37 ID:ltIw3edqo

さわ子は熱気を感じた。
顔にむんとした空気が当たって、額にうっすら汗が滲んだ。
ああ、化粧が落ちてしまうかも知れない、そんなことを思ったけれど、さわ子は楽しそうに笑った。

「暑いわねえ!」

くすくすと笑うと、湿気て重くなった空気が、ゆっくりと、優しく揺れた。
自分でも、まだこんなことが出来るんだ、とさわ子は嬉しくなった。

生徒会長は横目にさわ子を見て、咎めるように言った。

「クーラーつけてる意味がなくなりますよ。閉めてください」

さわ子は生徒会長のほうを見て、くつくつと、次いで、けらけらと笑った。
夏の暑さに、膨張した空気に持ち上げられて、空まで飛んでいけそうな気がした。

「じゃあ、クーラー切りましょうよ。そんで、息抜きにキャッチボールしましょう」

「まだ書類がありますから」

そう断って、生徒会長はぷいと顔を背けた。
その仕草は彼女が自分で思っているよりも、年相応に子どもらしい、さわ子を微笑ませる笑顔だった。

さわ子の子供っぽさに失望する気持ちと、思ったより心地良い夏の暑さにうっとりとするような、懐かしむような気持ちが、確かに生徒会長の中にあった。
夏は少しずつ、生徒会長の体温を上げていった。

「いいじゃないのよ、ちょっとくらい。私キャッチボールしたこと無いのよ、してみたいわ」

すす、と体を摺り寄せて、さわ子は和の耳元で言った。
和はふふ、と息を漏らして笑った。



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