過去ログ - 悪魔「異界の門を開いたのはお前か」
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28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/01/30(日) 13:56:42.29 ID:t0ky2MRAO
人狼「何を言い出すのかと思えば……」
中年「確かに俺一人ではお前に及ばないが、こいつら全員が相手ならどうだ?」
粘っこい笑みに呼応するかの如く、周囲の大気が揺れた。
実体無き影が蠢き始める。
成り行きを黙って眺める人狼の耳元で、足元で、背後で、唸りがあがる。
この上無い怨磋の声だ。
それれは徐々に数を増して行く。
頭上から、獣のその耳元から、声に覆われながら、人狼は毅然として立っている。
中年「こいつら……血に飢えているらしい。お前の命もろとも餌にしてやるつもりだ」
言葉に続いた高笑いを皮切りに、それらは動き出した。
蠢く影に過ぎなかった彼らは、青白い顔を覗かせた。身体は依然として視認性が無い。
すぐさま、そう広くは無い食堂は顔に埋め尽くされた。
縦横無尽に宙を舞う生首が一斉に人狼へ襲い掛かる。
血を寄越せ。口々に呻きながら牙を剥いた首は、しかしことごとく、地に堕ちた。
当然、人狼が殴り、噛み付き、蹴り飛ばした結果だが、目で追えた者は居なかった。
人狼「肩慣らしにはなったな」
吐き捨てて、足元に転がる顔を踏み潰した。
鶏卵の割れる音を立派にした様な音を立てて、頭を構築する諸々を撒き散らして、それはひしゃげた。
悪魔「……しかし、一体あとどれだけ、準備運動をするつもりだ? 今のは十分の一にも満たない。それに……吸血鬼の回復能力はお前も良く知っているだろう」
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