過去ログ - 悪魔「異界の門を開いたのはお前か」
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/01/31(月) 20:09:16.07 ID:ysW3NZdAO
中年「……そんな手には乗るかよ」

悪魔「む……? ああ、戦力を私に回させて、人狼にお前を叩かせるとでも思っているのか?」

中年「……もしくはお前が突っ込んで来るのだろう?」

悪魔「それも悪くは無いが……これだけ居るのでは上手く行くかも分からん。おい、私一人で相手をするから下がってろ」

人狼「何を馬鹿な……。どうするつもりだ?」

悪魔「……黙って引っ込んでろ。吸血鬼もどき相手にむきになっても仕方ないだろう」

人狼「……わかった」

 言葉通りに後退を始めた。
 代わって悪魔が足を進める。
 中年は不審な眼差しを向けながら、吸血鬼達で身を固める。
 生首の壁の向こうへ、悪魔が語りかける。

悪魔「私の思惑はともかく……。どのみち降りかかる火の粉は払わねばならないだろう? 今ここで逃げ出しても、私は地の果てまでお前を追うつもりだ」

中年「……」

悪魔「……来いよ。それとも私が怖いか?」

 両手を広げて不敵に悪魔が笑う。

中年「……良いだろう」

 そうは言ったが、半数以上を待機させたまま、それでも三十は軽く越える吸血鬼が悪魔へ向かう。
 よほど警戒されているのか。ならば仕方ない。
 牙が黒衣を貫き、肉体に埋め込まれた。

悪魔「ぎええええ」

 完全なる棒読みの悲鳴をあげて、悪魔は背を地に付けた。

人狼「……」

中年「……」

 あまりと言えばあまりの出来事に言葉を失う二人をよそに、吸血鬼達は悪魔の身から血をむさぼり続ける。


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