過去ログ - 悪魔「異界の門を開いたのはお前か」
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/08(火) 22:07:52.31 ID:t7faXI5AO
ゆっくりと扉を開いたのは、少女だった。
少女「お姉ちゃん……」
人狼「……ふうん、この子か。吸血鬼は殺した、悪魔からの伝言だ」
少女は緩慢な動作で辺りを見回す。
少女「悪魔さんは……?」
人狼「さあな。私に伝言役を押し付けて、異界に戻ったみたいだけど? ……不都合でもあるのか?」
少女「……いえ。ただ人狼の方がいらっしゃるなんて」
二人に広がる不穏な空気を女は感じていた。
人狼は明確な疑いの眼差しを少女に向ける。受ける少女は真意の図りがたい微笑みを湛えた。
眼前の少女は果たして女の知る所と変わらないのか。
女「……ブゥ、ブヒ?」
人狼「……ここに住むのは誰だ?」
少女「……私の学校の先生ですよ。今のはお姉ちゃんの言葉?」
人狼「ああ。私には興味の無い事だからな」
少女「そうですか? ……じゃあお姉ちゃんをこっちに」
少女が二人へ歩み寄る。
一歩、また一歩と距離が近付く度に、女の不安が増して行く。
教師が一枚噛んでいたなんて思いも寄らなかった。
少女に連れられて家へ上がれば、全ては明るみに出て、元の生活に戻れる? 果たしてそうだろうか。
悪魔の言葉を信じるなら、その教師は最低な輩だ。
そして妹は、その見た目は変わらぬまま、別の何かを思わせる。
少女「どうかしましたか? お姉ちゃんも」
人狼「お前が人間だとは思え無いが……何とも言い切れない」
人狼の言葉は女の心中をさらにかき乱す。
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