過去ログ - 悪魔「異界の門を開いたのはお前か」
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48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/07(月) 15:24:32.32 ID:yZXe4y2AO
骨と皮だけの節くれ立つ指の青白い手が、人狼の頬に触れる。
添える様に、そっと。
人狼「ぐ……う……」
人狼が小さく呻き、膝を付く。
抱えられていた豚は落下し、腹を打ち付けられた。
触れる死の手は、冷たく、渇いていた。
人狼の生命力がその手へ、移り深く広がる。
二色の肌が徐々に、同化して行く。
荒く、深くなる人狼の呼吸は虫の息か。
死に片足を突っ込み、彼女の生存本能はけたたましく警鐘鳴らす。
意図せず、それを退けようと、死に神の腕を弱々しく掴む。
しかし、結果は彼女の死を早めた。
触れる程に、熱と命をより吸い取られる。
程無くして、人狼の体温は、死に神のそれと等しくなった。
彼女の死体は前のめりに倒れた。
女「ぶひっ」
より濃さを増した死の香りに、豚は身震いする。
悪魔「……呆気ない幕引きだったな。つまらん奴だな」
くすんだ死者の口で、悪魔は吐き捨てた。
少女「仇討ちでもしますか? 悪魔さん」
悪魔「その必要は無い。二つの意味でな。……聴きたいか?」
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