過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」
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11:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2011/01/26(水) 20:39:53.70 ID:KPu69xg30
「よっちゃんがお母さんでね、それでそれで」
少女は先ほどからひっきりなしにしゃべっている。
今日あったことを一から順に説明しなければ気が済まないのだ。
四歳にして朝からの出来事を時系列に従って話せるとはなかなか賢いなと、一方通行は満足感を抱く。
そういえば打ち止めも小さいころは学校であったことを逐一自分に報告していたなと思い出したところで、少女が不満そうに見上げていることに気づく。
「あーくん、想のおはなしちゃんときいてる?」
思わず吹き出しそうになるのを寸でのところで堪える。
「ままごとでよっちゃンとやらが母親役やったンだろ?ちゃンと聞いてるから話せよ」
「うん。それでね…」
女というものは、つくづくこんな年頃から女なのだなと、何だかおかしくて笑いがこみ上げる。
今の不服そうな表情はそのまま番外個体や打ち止め、そして少女の母親のそれとそっくりだ。
一方的に話して満足することが多い男に比べてなんとマセたものか。
掌の中の小さな温もりを握り直す。
こんなに小さくても一丁前なのだ。
そう思うと何故か心が温かくなる。
「はまちゃんがにろうしてひきこもってる息子やくなの」
「そいつは……なかなかへヴィーだな」
一方通行は、オレンジの光に照らされて、細く伸びた影に再び目を落とす。
小さなシルエットと、大きなシルエット。
二つのシルエットが手を繋いでる、それだけのことで小さな笑みが零れた。
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